有村竜太朗(Plastic Tree)が、2月14日に2020年初となるソロライヴ『ACOUSTIC LIVE「Op.+」AT Christ Shinagawa Church』をキリスト品川教会グローリア・チャペルにて開催した。
品川教会グローリア・チャペルはシンプルでモダンな作りだが、壁にはブロックガラスが使用されており、昼間は自然光が入る開放的な雰囲気。だが、夜は昼間とは違う厳かさが漂う。祭壇となるステージに設置されたパイプオルガンや、背景に飾られている木製の大きな十字架を見ると、自然と身が引き締まる。
開演前には讃美歌が流され、通常のライブ前とは違う緊張感が漂っていた。開演時間となり、照明が暗転すると、ステージに置かれたLEDキャンドルの明かりがぼんやりと目立ち始める。この日のバンド編成は、キーボード、アコーディオン(&パイプオルガン)、バイオリン、セロというラインナップ。暗がりの中、メンバーが所定の位置につくと、最後に有村竜太朗がセンターに歩み寄り、暖色系の照明に照らされながらアコースティックギターを鳴らす。1曲目は「op.10(19罪/jukyusai)」。さっそくパイプオルガンが導入され、曲に神々しさを加えていく。セットリストは、これまでもアコースティックセットで披露されてきたおなじみの構成だが、この日はどの曲も新鮮に感じられた。
最初のMCで“ずっとやってみたかった品川教会グローリア・チャペルで「Op」(アコースティックver)の曲をたくさんやれるのは嬉しい限りでございます…2月14日という意味のある日、皆さんにとってもいい日になりますように”と挨拶。そして、「op.2(魔似事/manegoto)」、秒針の音で穏やかに始まる「op.5(鍵時計/kagidokei)」などを、ゆったりと聴かせていった。ステージの背景に映し出される象徴的な映像もライヴに幻想的な要素を加えていく。しかも、有村の浮遊感のある歌声や、曲終わりで鳴り響く大きな拍手は高い天井に吸い込まれ、曲がすすむごとに心が清められていくようだった。
有村も“教会ってめちゃくちゃいいところですね”と、独特の感覚をかみしめる。続く「op.11(くるおし花/kuruoshibana)」からは後半戦。「op.8(ザジ待ち/zajimachi)」や、夕暮れの抒情的な風景とマッチする「op.12(日没地区/nichibotsuchiku)」など、ノスタルジックな楽曲を存分に響かせ、本編最後では「op.1(浮融/fuyuu)」を披露。後半ブロックでもパイプオルガンを取り入れたバージョンで何曲か披露し、美しいサウンドを届けてくれた。
アンコールでは、有村ひとりでステージに登場。アコースティックギターの弾き語りで「op.10(19罪/jukyusai)」を丁寧に歌い上げる。ある意味、実験的な試みのライブだっただけに固さも感じられたが、会場の空気感と楽曲のマッチングは絶妙。まるで浄化されていくような強い印象のライブとなった。
今後の予定として、彼自身の誕生日である3月6日には、マイナビBLITZ赤坂で『有村竜太朗 BIRTHDAY LIVE 2020 – ROOM306 -』が行われる。“現実に疲れた時、そっと逃げ込める空間になれば……”という思いを込め、架空のホテル“ROOM306”での公演という趣向だそうだ。教会での雰囲気とは違う彼の別な側面を、じっくり味わってみてはいかがだろうか。
『有村竜太朗 BIRTHDAY LIVE 2020 -ROOM306-』
3月6日(金) 東京・マイナビBLITZ赤坂
開場 18:00/開演 19:00
<チケット>
前売り:¥6,000(税込/1Fスタンディング/ドリンク代別途)
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