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男たちを鼓舞する、不良音楽ヒストリー5選

いつの時代も男たちは譲れない信念や美学を持ち、型にハマらず自由に生きる不良への憧れがあったはず。そして、いつの時代も本物の不良は女にもモテてきた。いや、モテると聞いている。今回はそんな不良に憧れる男たち、そして本物の不良たちを鼓舞してきた、不良音楽の歴史を飾るミュージシャンの楽曲を紹介。ずらり並べてみたら、やはり男も惚れる男たち、そして確実に女の子にモテてきたであろう男たちばかり! …と、そんなこと言ってる俺はどこか不良に憧れながらも「俺にはロックがあるから」と言い訳して、ケンカや悪さを避け続けてきたシャバ僧。当然、女の子にもモテませんでした!

■「男の勲章」(’19)/横浜銀蠅

♪つっぱることが男の~と始まる「男の勲章」は、横浜銀蠅の弟分だった嶋大輔の2ndシングルとして82年発売。18年にドラマ『今日から俺は!!』の主題歌として、主演の三橋貴志(賀来賢人)、伊藤真司(伊藤健太郎)による“今日俺バンド”がカバーし、リバイバルブームを生んだが。この曲の作詞作曲を務めたのは、横浜銀蠅のギタリストであるJohnny。そして、結成40周年を迎える20年。そのJohnnyを加えたオリジナルメンバーで、横浜銀蠅が“横浜銀蠅40th”として期間限定復活することを発表! 復活に先駆けてMVが発表されたのが、横浜銀蠅40thによる「男の勲章」だった。かなりややこしいけど(笑)。80年代のつっぱりたちを鼓舞したこの曲、本家「男の勲章」は楽曲の良さに現在の4人の渋さや説得力が加わり、抜群のカッコ良さ! 12月2日にFC限定で行なわれた横浜銀蠅40thのお披露目ライヴも観ましたが、Johnnyのカッコ良さ、ハンパねぇです!

■「ビー・バップ・パラダイス」(’86)/ビー・バップ少年少女合唱団

「こいよシャバ僧、根性見せいや!」と86年に公開された、映画『ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎哀歌』の挿入歌として使用。加藤浩志(清水宏次朗)、中間徹(仲村トオル)、三原山順子(宮崎ますみ)のビー・バップ少年少女合唱団による楽曲。ケンカは強いが女に弱いヒロシとトオルが、《また二人でバカやってんのかよ?》なんて順子に言われながら、《筋だけは通せ 俺は通さんけど》と歌うこの曲が表すように、ビーパップの魅力は不良の強さや恐さだけじゃなくて、面白さや愛嬌もたっぷり見せてくれたところだった。普段はビシッと決めてるけど、実はいい加減だったりスケベだったりして、それでもいざという時は仲間や誇りのために立ち上がるヒロシとトオル。ビーバップは多感な時期の俺たちに、カッコ良い男の生き方を教えてくれたと言っても言いすぎじゃない、はず。

■「俺達には土曜日しかない」(’05) /氣志團

“ヤンクロック”を掲げ、リーゼントにサングラス、学ラン姿とデビュー時と、デビュー時と変わらぬスタイルで活動を続ける、昭和に生まれて平成を駆け抜けた令和ヤンキー・氣志團。「One Night Carnival」「喧嘩上等」といったヒット曲もあるが、男たちを鼓舞させる不良音楽という括りで浮かぶのが05年に発表したこの曲。MVでは櫻十字のフラッグを掲げて、特攻服姿でパフォーマンス。《400FOUR XJ CBR》といった歌詞や“スピードの向こう側”や“音速の天使たち”といったワードに「お?」と引っかかる人は多いだろう。70~80年代の硬派な不良文化からビーバップも経由し、漫画『特攻の拓』に至るまで、不良をカルチャーや様式美として詰め込んだ情報量の豊富さや、歌詞や振り付けのカッコ良さとバカバカしさのバランスも最高。ちなみに今作のカップリングには、DJ OZMAの元ネタとなった架空の深夜ラジオ「DJオズマのバリバリ★SATURDAY騎士!」が収録されていた。

■「カラス」(’05)/湘南乃風

チーマーやB系といった新しい不良スタイルが生まれ、“ネオヤンキー”と呼ばれる時代へ移行していった00年代。ネオヤンキーのバイブルである漫画『クローズ』の作者・高橋ヒロシ描き下ろしのジャケットで登場した湘南乃風の登場は斬新だった。パンチパーマの若旦那を始めとするメンバーのイカついルックス、当時はメジャーじゃなかったレゲエを打ち出した音楽性、そして歌詞のリアルさなど、彼らのスタイルは革新的だったし、男を鼓舞する要素が満載だった。鈴蘭高校の前に立つ4人と“カラス”というタイトルだけでアガるこの曲で歌うのは、綺麗事だけじゃない男の友情。全国どこにでも転がってるような、名もなきカラスのリアルな物語に自身を重ねて涙した男たちも多いだろう。

■「Foreign(feat. YZERR & Tiji Jojo)」(’19)/BAD HOP

そして、現在。今の不良文化のリアルや成り上がりを体現し、男たちを鼓舞させてくれてるのが川崎出身の8人組ヒップホップクルー、BAD HOP。「ラップをやるか、本職になるか?」という底辺からのし上がり、日本のヒップホップシーン最速の日本武道館公演を成功させると、最新EP『Lift Off』では初の海外レコーディング&豪華海外プロデューサーとともに世界基準の作品を制作。その存在や活動のカッコ良さ、嘘のないリアルな生き方にすっかり惹かれた僕は、12月7日(土)には地元・川崎で敢行したゲリラライヴも参戦。直前の告知ながらあふれるほどの人を集めた川崎駅前にトラックで乗り付け、わずか15分のステージは強烈なインパクトと記憶を残した。警察に止められて強制終了って本当!? マジでゲリラだったんだ! 「Foreign」は『Lift Off』収録のBAD HOPの最新型。ヒップホップドリームを叶え続けるカッコ良い姿を見せつけて、男たちをもっと鼓舞してくれ!

TEXT:フジジュン

フジジュン プロフィール:1975年、長野県生まれ。『イカ天』の影響でロックに目覚めて、雑誌『宝島』を教科書に育った、ロックとお笑い好きのおもしろライター。オリコン株式会社や『インディーズマガジン』を経て、00年よりライター、編集者、デザイナー、ラジオDJ、漫画原作者として活動。12年に(株)FUJIJUN WORKSを立ち上げ、バカ社長(クレイジーSKB公認)に就任。メジャー、インディーズ問わず、邦楽ロックが得意分野だが、EBiDANなど若い男の子も大好き。笑いやバカの要素を含むバンドは大好物。

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