10月29日に新木場STUDIO COASTで行われたMUCCとミオヤマザキとの対バンで、自身最大規模となるキャパでのライヴを経験した首振りDolls。これまでにない景色の中で、彼らは何を感じ、何を掴み取ったのだろう?
さらにその後、彼らは11月5日に土屋アンナとの対バンでも多くのファンをロックンロールの世界へと誘い、最高の景色を作り上げた。そして、11月12日、ナイトメアの柩のソロプロジェクトであるgremlins(メンバーはギターボーカルHits、ドラムKNZ。サポートギター美月、サポートベースChiyu)との対バンも決行!(※11月20日にも同会場にて対バン。東京・青山 RizM OPEN 18:00 / START 18:30 青山 RizM:03-6804-5925 出演:gremlins / 首振りDolls)
マンスリーインタビュー 第10弾は、MUCC逹瑯、ミオヤマザキのmio、takaとの鼎談に続く、Hits(柩/ナイトメア)とKNZ(KENZO/BVCCI HAYNES、彩冷える)との鼎談をお送りする。
【マンスリーインタビュー】
■マンスリーインタビュー第1弾 https://okmusic.jp/news/323875
■マンスリーインタビュー第2弾 https://okmusic.jp/news/329571
■マンスリーインタビュー第3弾 https://okmusic.jp/news/335318
■マンスリーインタビュー第4弾 https://okmusic.jp/news/339258
■マンスリーインタビュー第5弾 https://okmusic.jp/news/343414
■マンスリーインタビュー第6弾 https://okmusic.jp/news/347907
■マンスリーインタビュー第7弾 https://okmusic.jp/news/351762
■マンスリーインタビュー第8弾 https://okmusic.jp/news/356115
■マンスリーインタビュー第9弾 https://okmusic.jp/news/359379
■世代とか関係なく、音楽って 共通言語みたいなもんだよね(Hits)
――今回はgremlinsのHitsとKNZをお迎えしております。
ナオ:よろしくお願いします! 緊張しております。
Hits:え? 大丈夫でしょ、もう(笑)。だって、逹瑯さん(MUCCのボーカリスト逹瑯)と対談してたでしょ? もうね、怖いものないから(笑)。
ナオ:逹瑯さんとお話ししていると、完全に逹瑯さんのペースに持って行かれますからね(笑)。
Hits:そそそ! 完全に持って行かれるよね!(笑)
ナオ:はい(笑)! でも、本当に可愛がって頂いていて、感謝しかないです。逹瑯さんって、本当にすごい人だなって直接お話しさせて頂くようになって実感しました。ライヴも本当にすごいし、人柄も本当に大好きです。お話ししていると、いつしかいっぱい引き出して頂いていております(笑)。
Hits:そう! 振り回されたあげく、引き出されちゃうんだよね(笑)。
KNZ:あははは。それはね、もう確信犯だから(笑)。
ナオ:いやいや、本当に、ラジオにも呼んで頂いたんですけど、逹瑯さんの話術は素晴らしいなと、ただただ感動しました!
Hits:絶対に口では勝てないからね(笑)。あれは洗礼だから(笑)。でも、ウチらは全然大丈夫だから緊張しなくていいからね!(笑)
KNZ:遠慮なく。
Hits:共通点ってあるのかな?
――どうかな? 聴いてきた音楽とかはどうなんだろ?
Hits:俺の最初はチャゲ&飛鳥だからね。
一同:意外!
KNZ:逆にめちゃくちゃエモいけどね!
Hits:最初、何?
ショーン:え、あ、俺は、ドラマ『愛をください』の中で、菅野美穂さんが自分の役だった蓮井朱夏名義で、辻仁成さんの「ZOO」を「ZOO 〜愛をください〜」という歌として歌っていたんですけど、それがたしか初めて買ったCDでした。
KNZ:めちゃくちゃコアなとこだね!
ショーン:はい。すごくいい曲だなぁって思ったんですよね。
ジョニー:あ、菅野美穂ヴァージョン、俺も持ってた! 親が好きで見てて。たしか8センチシングルだったよね?
ショーン:そうそう!
ナオ:すごい、そこに食いつくとは、ジョニー!(笑) 音楽ってすごい! 普段人見知りであんまり話さないジョニーとショーンがいっぱい喋ってる(笑)!
Hits:あははは。そうなの(笑)? それなら良かった。
KNZ:でも、音楽にハマるキッカケってそんなもんだよね。俺もそういう意味で言ったら、エキセントリック少年ボウイだったもん。『ダウンタウンのごっつええ感じ』から知って。近藤真彦「ミッドナイト・シャッフル」もそう。『銀狼怪奇ファイル〜二つの頭脳を持つ少年〜』のオープニングテーマからだもん。ドラマ見てて。
Hits:ドラマってすごい影響力だよね。(ライターに向かって)てか、世代違うから絶対違うでしょ?(笑) 何だった?
――世代違うからは余計だわ!(笑)
KNZ:主題歌とかない時代でしょ。あれ? テレビあった?
――ありました! インタビュー中にライターに絡むとか、後輩に悪影響だからやめてもらえるかな?(笑)
ナオ:勉強になります。
――そんなとこ勉強しなくていいから!
Hits:これも洗礼だから!(笑)
――……。藤井フミヤの「TRUE LOVE」とかじゃない? 『あすなろ白書』の主題歌。
Hits:絶対サバよんでる(笑)。
――よんでない(笑)。
Hits:まぁ、何歳のときにそれを聴いてるかって違いもあるからね(笑)。また、自分のそのときの状況がその曲聴くと蘇るんだよね〜、鮮明に。そう思うと世代とか関係なく音楽って共通言語みたいなもんだよね。
ナオ:たしかにそうですね。音楽の力ってすごいと思います。私も同年代の人とはなかなか話し合わないですからね、古い音楽が好きだったりするので、音楽の話は歳上の人とする方が盛り上がりますね。
KNZ:あー、そういうのはあるよね〜。でも、時代と音楽っていう意味でいうと、Mr.Childrenとかサザンオールスターズとかもドラマの印象が強かったなぁ。玉置浩二の「田園」とかね。そこらへんは俺たち世代だね。
ショーン:あ! それ『コーチ』ですね! 野球のドラマ!
Hits:あ〜! 懐かしいねぇ〜!
KNZ:MOON CHILDの「ESCAPE」とかも流行ったよね。みんな歌ってた。
ジョニー:『ロングバケーション』の主題歌だった久保田利伸の「La La La Love Song」とかもドラマからのヒットでしたよね! 親がめちゃくちゃ好きでした!
KNZ:「La La La Love Song」ね! うんうん。よくカラオケで歌うよ! 今もセットリストには必ず入ってるからね。
――セットリスト!?
KNZ:そう。カラオケの自分セットリスト。アンコールくらいにいつも入れてるね。
ナオ:あははは。絶対盛り上げる系のやつですね。
KNZ:そうそうそう(笑)。
――あれ? でもHitsはhideさんがルーツなんじゃないの?
Hits:そう。ロックという意味ではね。でも、hideさんのロックって、ハードでありながらも、すごくポップなロックだからね。
KNZ:そう。やっぱ激しさの中にもポップさってのは必須なんだと思うよ。hideさんもたしかKISS好きなんだよね。
Hits:そう。だからね、あんまりヘヴィな感じなロックは通ってないんだよね。
KNZ:俺は結構ヘヴィなとこも掘ったけど、基本ポップなロックが好きだから、自分が曲を作るときも自然とそうなるんだよね。gremlinsを体現する音もポップな方がいいなと思ったから。
ナオ:見せ方的なところは、どんな風に考えているんですか?
KNZ:他に無いもの作りたいねって話して。Hitsも俺も映画が好きだから、そこも絡めて特殊メイクとか施しちゃおっかって発想だったり。
Hits:そう。本当に思い付きをどんどん形にしてって今がある感じ。特殊メイクとかしてたのは、最初のアルバムとその次のアルバムの2枚くらいだったけどね。
ナオ:すごーい! 特殊メイクってどれくらい時間かかるんですか!?
Hits:プラス1時間くらいだったかな。角生やしたり、耳をちょっと尖がらせたりするくらいだったからね。
KNZ:そうそう。顔全体が特殊メイクってことではなくね。薄いコンドームみたいな素材のものを足すみたいな。
――首振りDollsも時々角生えるけどね、ジョニーの頭に。
Hits:あ、そうなの!?
ジョニー:あ、いえ、はい。キメポーズです。手動で(笑)。
Hits:手動で!?
ジョニー:はい。自分の指を頭に立てるだけです(笑)。
KNZ:あ、そういうこと!?(笑) めちゃめちゃ手動だね(笑)。やっぱね、ライヴはエンタテイメントじゃなくちゃね! KISSみたいにさ。
ジョニー:おぉぉぉ!(前のめり)
ナオ:きたっ! ジョニーの大好物なKISS話!
――“待ってました!”だね!(笑) 実は、この対談の前日に、増田さん(ライターの増田勇一氏)とメンバーとKISSの話しで大盛り上がりになり、KNZもかなりのKISSマニアだという話しになっていたから、今日はKISSの話が出来るって、ジョニーがやる気で(笑)。そこは大きな共通点だからね。
ジョニー:うん。増田さんにKISSの話をして来いと言われました!
KNZ:あははは。KISSの話だったら何日かに渡って出来るからね。
ジョニー:おぉ〜(感動)。
ナオ:ロックのルーツはKISSですか?
KNZ:そうだね、ロックの入り口はKISS。最初にKISSを知ったのは、アメコミなんだけどね。俺の音楽のルーツってゲーム音楽なのね。『ファイナルファンタジー』とかのサントラとか好きで聴いていたり、映画も好きだからそういうサントラも大好きで。そっち方面の音楽を作る人になりたかったの。KISSを知ることになったキッカケになったアメコミも大好きでさ。今みたいに流行る前の『MARVEL』とか『Spawn』も大好きだったわけ。
ショーン:あ〜、俺もそっち系大好きです!
KNZ:あ、そうなんだね! 俺、もともとそっちなんだよ。子供の頃からそういうのが大好きで、そういうお店でいろんなものを漁っていたら、『マクファーレントイズ スポーン シリーズ』にKISSが出てて。その人達がバンドやってるっていうことを知り、めちゃくちゃ気になって。当時、姉ちゃんの彼氏がMr.BigとかVan Halenとか聴いてたから、そこからの流れでいろんな洋楽のハードロックも耳にはしてたんだけど、どっぷりハマったのがKISSだったんだよね〜。そこからはもうズブズブ(笑)。Guns N’ RosesとかMötley CrüeとかLA漁って、そこからメタルの方に行って。
ナオ:メタルの入り口ってどこですか?
KNZ:メタルの入り口はまた違って、HelloweenとかStratovariusとか、ジャーマンとかフィンランドの北欧メタル系だったんだよね。そっち系のメタルは、ロックとゲームサウンドが混ざった感じなんだからさ。
ジョニー:神聖なメタルですからね、北欧メタルは。
KNZ:そうだね。96年くらいだったかな。日本でもメロデスとかが盛り上がってた感じだったから。SlipknotとかMarilyn Mansonとかもすごく盛り上がってたいい時代だったなぁ。
ナオ:はい。すごくいい時代でしたねぇ。
KNZ:3人ともKISS好きなの?
ショーン:俺は首振りに入ってからですね。ちゃんと聴くようになったのは。
Hits:俺もそう。わりと最近と言えば最近。邦楽ばっかりだったからね。あんまり洋楽のメタル系はルーツになくて。
ナオ:俺もKISSにハマったのは結構大人になってからなんですよ。私がKISSにハマったきっかけはジョニー・ダイアモンドですから。
ジョニー:はい。俺がコレを聴けと。“俺はコレがやりたい! 俺はコレになりたい!”と。
KNZ:あははは。すごくストレートだね(笑)。
Hits:めちゃくちゃ分かりやすい(笑)。
ナオ:はい。一緒にKISSが初来日したときの武道館ライヴのDVDを、ジョニーの解説付きで見たんです。それがめちゃくちゃ楽しくて!
KNZ:どんな解説?
ナオ:“見よって、ギター上手すぎて煙出てくるけ!”って!(笑)
一同:(爆笑)
ジョニー:“ほら次! 空飛ぶよ! ほら、飛んだ!”とか(笑)。
Hits:またそれも、めちゃくちゃ分かりやすいね(笑)。
一同:(爆笑)
ナオ:それが楽しくて、“コレやりたい!”って思ったんです! ちゃんと聴く前はもっとハードな音楽かと思ったんですけど、聴いてみたらめちゃくちゃポップだったから、ハードコアが大好きだった子供の頃の私には、ちょっとポップすぎたんですけど、改めてジョニーの解説付きで聴いたら、めちゃくちゃロックンロールでカッコ良くて完全に虜になっちゃったんです! 出逢い直した感じですね。
KNZ:あるね、俺はColdplayがそうだったかな。メタルにズブズブにハマってたときはあんまり、って思ってたんだけど、後に聴き直してみたら、あ、やっぱUKもいいねぇってなって。出逢い直した感じだったからね。
ジョニー:12月の来日公演は行きますか?
KNZ:もちろん! VIPでチケット取ってる。
――15万くらいのチケット!?
KNZ:そう。会えるやつ。
ナオ:KISSに会うんですね!
ジョニー:ヤバっ。
KNZ:もう最後の来日とか言ってるし、メイクをしたあの状態のKISSに会えるのは、もうないのかなと思ったら、15万くらい安いのかなとか思っちゃって。
Hits:もっと高いチケットあったよね?
KNZ:うん。40万だっけな? でもね、それはステージ袖から観れたり楽屋に招待してもらえたりするみたいなんだけど、ライヴは袖からじゃなく、普通に見たいからさ。アリーナの最前で観れる方がいいなと思って。
ジョニー:あ、絶対15万の方がいいっすね。
ナオ:でも、羨ましいなぁ〜。きっと俺たちなんて、豆粒くらいにしか見えない距離で観ることになると思います!(笑) でも、いいんです! ちっちゃくてもKISSはKISSだから! 昔、ジョニーと大坂城ホールにKISSの来日公演を見に行ったとき、後ろの方の席だったけどすごいことになってたんですよ! 周りのおじさん達みんな泣き出すし(笑)。
一同:(爆笑)
KNZ:分かる〜! KISSはライヴというより、もうお祭りみたいなものだからね。
ジョニー:そうですね。
■ミステリアスさが 守れている人ってすごい(KNZ)
――ジョニーは直接は会いたくないんでしょ?
ジョニー:う〜ん、会えるならもちろん会いたいけど、なんていうか、勿体無いというか、おこがましいというか。でもね、本音を言えば、やっぱり会いたい! メイクした状態だったらやっぱり会いたい! 普段着とかのメンバーには……会いたくないかな(笑)。
KNZ:あははは。分かる〜! めちゃくちゃ分かる〜(笑)。あの衣装込みでKISSだもんなぁ〜。俺ね、まだそこまでハロウィンが今みたいに盛り上がる前に、友達と盛り上がってKISSのコスプレとかしてハードロックカフェとか言ったもん! 7、8年前。もちろん、俺はジーン・シモンズだったけどね(笑)!
ジョニー:いいなぁ〜。俺はコスプレするならエース・フレーリーがいい!
KNZ:おっ! いいねぇ! いつのエース?
ジョニー:今のエースでもいいですけど、1976年とか1977年あたりのエースになりたいです!
KNZ:あーそうねぇ〜、エースと言えば、『地獄の軍団 Destroyer』か『Love Gun』のときが最高だもんね。
ジョニー:ですね! 一番エースがエースらしいというか。
KNZ:そそそ。ある意味黄金期だよね!
ナオ:すごい。話に花が咲いてる!
Hits:咲いてるね〜(笑)。
KNZ:てかさ、いつか本気のKISSのコピバンしようよ!
ジョニー:いいですね! やりたいです!
ナオ:やりたいっ!
――めちゃくちゃ意気投合してるね(笑)。ちょっと、ショーン。おとなしくしてるけど、何か質問してみて。
ショーン:はっ。やっぱり来ちゃいましたか、その時間………………。あの、ちょっと…。あーーー。
Hits:え!? あんなにガンガン攻めるベース弾くのに、普段そんな感じなの!?
ショーン:喋るの苦手なんですよぉ…………。
KNZ:あははは。面白いね、首振りDolls(笑)。
ショーン:ちょっと時間かかるんで、先に進めといて下さい!
Hits:あははは。何それ!(笑)
――ジョニーも何か質問してみては?
ジョニー:あ、え、あぁ。
Hits:あははは。なんでいきなりシャイになるの!? (笑) 緊張しないで。なんでも聞いて。
ジョニー:あ、はい。あの…寒くなってきましたね。
Hits:えっ!? あ、はい。さ、寒くなってきましたね(笑)。何それ!
KNZ:でもね、たしかに急に寒くなってきたよね!
――乗っかるのね、その話に(笑)。
KNZ:乗っかっちゃったねぇ〜、まんまと(笑)。ホント、最近今年初の暖房付けたからね!
ナオ:東京の方があったかい気がします。
KNZ:本当? 九州の冬はそんなに寒くないんじゃないの?
ナオ:いや、冬めっちゃ寒いんですよ。
ジョニー:でも、東京の冬をまだ体験してないから分からないよね。
Hits:あれ? まだ出てきたばっかり?
ナオ:はい。まだ半年経ってないです。
KNZ:お〜、そうなんだ! 東京の寒さはね、基本すきま風だから!
ナオ:ビル風?
KNZ:俺は生まれも育ちも東京なんだけど、ビル風が半端ないから、それで体感的に寒いんだよね。それでいうと、俺は北海道とかの方が寒くないなって思ったもん。
首振りDolls一同:へぇ〜〜〜。
Hits:俺は仙台だけど、そこまで極寒ではないからね。
KNZ:だよね。東北の寒さではあるけど、そこまで東京都変わらないもんね。
Hits:うん。変わんないね。みんな北九州?
ショーン:俺だけ宮崎です。
ジョニー:宮崎は雪降らないでしょ?
ショーン:降らない。
――椰子の木もあるしね。
ショーン:椰子の木ありますね〜。でも、冬は普通に寒いです。
Hits&KNZ:そうだよなぁ〜。寒いよなぁ〜。冬だもんな(笑)。
ショーン:はい!
一同:(爆笑)
――で、ショーン質問は?
ショーン:げっ。逃れられたと思ったのに…………。ジョニーさん、どうぞ。
ジョニー:え!? また俺!? あ、あの『ジョーカー』見ましたか?
Hits:俺、見に行ったんだよね〜。
KNZ:俺はまだ見れてないんだよね。今年はなんかバタバタしてて映画全然見れてない。
Hits:ただ、あのエンディングを次に何処に繋げていくかで、映画の見方が変わるなぁと思ったんだよね。『ダークナイト』に繋げるのか、『バッドマン』に繋げるのかで変わってくるなと。意味が変わってくる気がするな。
――ジョーカーは生まれつきの悪であって欲しかったっていう意見もあるみたいね。人間味があり過ぎるってとこでの賛否があるみたいで。
Hits:あ〜、なんかそうみたいね。
KNZ:まぁ、その賛否の否の気持ちは分からんでもないけどね。バンドもそういうとこない? すごく激しいサウンドが好きでハマったのに、売れだしたら、いきなり優しい曲とかバラードばっかやりだしちゃうみたいなのだと、なんかちょっとショックだもんね。
――みんなは憧れのアーティストの人間っぽいところを見たくないタイプ? 個人的には、メタルバンドのバラードには、逆にどうしようもなく愛しさを感じてしまうんだけど。
ジョニー:あーそれも分かる!
KNZ:まぁ俺も、それも分かる。例えば、KISSにはバラードはいいけど、速弾きはやって欲しくないとかね。
ナオ:なるほど。たしかにバンドによりますよね。俺もKISSの速弾きは聴きたくないかも!(笑)
KNZ:でしょ(笑)。“速い速い! もっと転がって!”って言いたくなっちゃうと思う(笑)。印象なのかな? なんかさ、多分、求めてないことをやられちゃうと、辞めて〜って言いたくなっちゃうかな。それって、音楽とか映画とかに限らず、純粋に人間にも当て嵌まることでもあるかもね。こういう人だと思ってたのに、接したら案外違った!みたいなのとかさ。
ナオ:ギャップみたいなのってありますよね。
KNZ:そう。まぁ、そのギャップを残念に思うこともあるし、そのギャップに萌えることもあるしね。昔は俺たちも結構イメージ作ってたりしたもんね(笑)。
Hits:あははは。最初はしてたねぇ〜。
KNZ:でも、今なんか穴だらけ。
一同:(大爆笑)
Hits:服着てるけど丸裸、みたいなね(笑)。それがだんだん楽になってきちゃうしね(笑)。
KNZ:勝手に出ちゃった(笑)。自分が理想としていたミステリアスさ的なところは保ててないね。
ナオ:お〜。ミステリアスで居る大切さみたいな話ですね。すごく興味深いです!
Hits:ん〜そうねぇ。でも、ミステリアスで居るということは、オンとオフのスイッチが必要だと思うんだよね。最初はあったの、その2つのスイッチが。でもね、なんかいつの間にかそのスイッチが…………一個になっちゃったの。
――あははは。なっちゃったの………って(笑)。意図せずに?
Hits:そう。常にオンでもあるし、常にオフでもあるし。なんていうのかなぁ。無意識に。
KNZ:まぁね、たしかに時代もあるよね。インスタとかSNSが出来ちゃってから、どうしてもそのスイッチのオンオフが難しくなっちゃったよね。ピアスいっぱいで、あんまり喋らなくて、奇怪な印象のステージ上のHitsが好きな人もいれば、素顔のHitsが好きな人も居るだろうからね。でも、ステージ上や、普段のつぶやきや、いろんなイメージがあるだろうから、そこからみんないろいろと自分の理想のHitsや俺を作り上げてくれているんだろうしね。
Hits:そうだね。それでいいのかなって思ってる。もうなんか今更自分のキャラクター作りとかは考えてないというか。もう知っちゃったよね?(笑) みたいな感じ。ありのままでいいのかなって思うようにもなって。
KNZ:だから、ミステリアスさが守れている人ってすごいなって思う。本当に。でも、人間だからね。自然と滲み出ちゃうと思う。そこがあるからこそ好きになれるってのもあるしね。けど、個人的に、ミステリアスさが守れなかった人間としては、憧れるけどね、ミステリアスさが守れている人。
ナオ:そうですね。俺もミステリアスで居たかったんですけどね………。もうダメですね(笑)。ステージでは“おら、クソガキども!”って言っちゃってんですけど、普段そのテンションで生きる自信がないです(笑)。ステージ上では先輩とかにも平気で言えちゃうんですけどね(笑)。それに、Twitterとかも昔はちょっとミステリアスなこと言ってたんですけど、もうやっぱり最近ダメです(笑)。穴だらけです、私も(笑)。酔っ払って道路で寝ちゃってたりしてるのを友達にTwitterでアップされちゃったりすると、もう無理〜って感じで(笑)。
■首振りDollsは gremlinsのお客さんも 絶対好きだと思う(Hits)
――それは本当に気をつけて頂きたいかな(笑)。でも、この話は、KNZとジョニーが、メイクしたKISSにしか会いたくないっていうところにも通じる話だったりするよね。
KNZ:そうそう。本当にそういうとこだよね。
ジョニー:ですね。普通の格好した普段のKISSは、あんまり見たくないというか。知らないでいいかなって。でも、飲み屋で偶然あったりしたら、めちゃくちゃテンション上がっちゃいますけどね!(笑)
KNZ:あははは。そういうのはあるよね!
Hits:それは最高のシチュエーションだよね(笑)!
ナオ:その気持ちもすごく分かる。でも、俺なんかは、遠藤ミチロウさんはステージの上のミチロウさんも大好きだし、人間としてのミチロウさんも大好きだし、とにかく、遠藤ミチロウそのものが好きなんで、どんなミチロウさんでも全部好きです。何しても大好きです!
ショーン:俺は結構裏側も知りたくなっちゃいますね。ドキュメンタリー見るの大好きです! お〜! 高速のパーキングでご飯食べてる! とか(笑)!
ジョニー:あ、俺も、オアシスが兄弟仲が悪い話とかはめっちゃ面白くて好きでしたけどね!(笑)
Hits:あははは。そういうのは面白いもんね(笑)。
KNZ:まぁ、人間味の出し方にもよるよね。
――普段を見ちゃってガッカリした人いる?(笑)
KNZ:Hitsとか?(笑)
Hits:え!? うるさいよ!
KNZ:うそうそ(笑)。普段からいい奴だからね、Hitsは。
ナオ:Hitsさん、めちゃくちゃマイナスイオン出てますよね。なんか、すごく癒しの波動を感じます!
Hits:え!? 俺から?(笑) それは分からんな、自分では(笑)。
――だいぶほぐれたね(笑)。きっと、対バン後には、すっかり打ち解けているかと。対バン、せっかくだからセッションとかも出来たらいいね。(※12日はKISSの「Rock and Roll All Nite」を、ナオ(Vo)、Hits(Gu)、ジョニー(Gu)、ショーン(Ba)、KNZ(Dr)の構成で届け、大盛況でありました!)20日はセッションもありつつ、gremlins発信で、“限定ギク”的な構成にしたいという提案もあるんだよね?
Hits:そうそう。12日はお互い通常の衣装でいつも通りの魅せ方で、しっかりとお互いのバンドを知ってもらって、20日はちょっとドレスコード的なものを提案してみるのも面白いかなって。既にチケットを買ってくれている人もいるから、お客さんはそこまで強制的というわけではないけど、なんか俺たちがいつもと違った格好してライヴ出来たら面白そうだなと思って。せっかくロックンロールバンドの首振りDollsとやるから、ロックテイストでやるとか。
ナオ:全員女装とか!?
――キャンジャニ(※関ジャニ∞が全員女子高生の格好で女装した時のグループ名)みたいに!?
Hits:あ〜、お客さん、みんな好きそうだけどね(笑)。ナオちゃん似合いそうだね(笑)。
ナオ:今年のハロウィンは、シスターとMUCCの逹瑯さんのコスプレをしました!
Hits:あははは。似合いそう!(笑)
ジョニー:女装は……………自信がないなぁ。(ボソッと)絶対にブスやと思う、俺…………。
一同:(爆笑)
Hits:今ボソッと言ったねぇ(笑)。
KNZ:いやいや、絶対似合うよ! ちょっと普通じゃない女装になりそうだけどね(笑)。
――そうね(笑)。ちょっとラテン系な(笑)。
ジョニー:絶対ブス。
一同:(爆笑)
Hits:いやぁ、ジョニーくん素顔可愛いよ! メイクするとガッツリロックだけど、素顔可愛くてびっくりしたもん!
ジョニー:おぉ。ありがとうございます!
KNZ:きっとみんな女装は見たいだろうけど、ここはせっかくロックンロールバンド首振りDollsとの対バンだから、“ロックTシャツ限定ギグ”にしてみる?
ナオ:新鮮です! 私たちもロックTでライヴしたことないです!
Hits:お客さんもみんなロックTシャツって、なんかすごくロックだなぁ。持ってない人は、今回物販でgremlinsと首振りDollsのコラボロックTシャツを作ったから、それ着てくれてもいいけどね!
KNZ:メタリカ風のデザインのロックTだからカッコイイよね!
Hits:そう。めっちゃカッコイイ。なんか、本当にいつものgremlinsのライヴとは違うライヴになりそうだなぁ。gremlinsは今まで異種格闘技戦とかしたことなくて、首振りDollsとの対バンが初でもあるから、めちゃくちゃ楽しみになんだよね。
KNZ:そう。昔はすごくジャンル分けされてたけど、最近はそうでもなくなって来てる気はするし。いろいろなシーン分けされてた時代は、すごくジャンルで括られるのが嫌だったりしたんだけどね。
Hits:もともとヴィジュアル系自体も音楽のジャンルではなかったんだけどね。
――まぁそうね。グラムロックが音楽のジャンルではないのと同じくね。
Hits:ていうか、首振りDollsってドラムボーカルなんでしょ!? キツくないの!?
ナオ:キツイです(笑)。でも、もう慣れちゃいました。
KNZ:すごいな、慣れって。同じドラマーだから尊敬するもん。本当にすごい。あれでワンマンするとか本当にすごい。てか、左側を向く感じで叩きながら歌ってるけど、辛くないの? ヘッドセットとかにしたらいいのに。
ナオ:そこも慣れですね。いろいろと試してはみたんですけど、お客さんに顔が見えなくちゃいけないっていうのもあったし、試行錯誤した結果、今に落ち着いたんです。だから、今の角度で歌うので固定してからは、この角度で筋肉が付いちゃったんです。だから、レコーディングの時とか、ちょっと出にくいなっていうときは、左側向いて歌うんです! そうすると出るんですよ。
KNZ:すごいなぁ。本当にすごいと思う。これはね、ドラマーだから特に分かると思うよ。俺、本当に個人的に興味あったんだよね。
ナオ:もう、最後の方はマラソンしてる感覚というか。耐久戦ですね(笑)。
KNZ:すごいなぁ。あのメロディを叩きながら歌えるって、本当にすごい。俺、昔インディーズでバンドやってたときは、ハイスタとかガンズとか叩きながら歌ってたりしたんだけど、フル尺では無理だからね。本当にすごいなって思うよ。
ナオ:ありがとうございます! そんなに言って頂いて、嬉しいです。HitsさんとKNZさんは、首振りDollsを知って下さっていたんですか?
Hits:うん。名前はすごく聞いていて、気になっていたんだよね。
KNZ:俺も。
Hits:で、ちゃんと音源聴かせてもらって、ヤバイ、すごいカッコイイ! と思って、どうしても対バンしたくて。
KNZ:“カッコイイね! 一緒にやりたいね!”って。
ナオ:ありがとうございます! 嬉しいです! でも、gremlinsのお客さんが受け入れてくれるかすごく心配で…………。
Hits:それは100%大丈夫。絶対好きだと思うよ。
ナオ:本当ですか!? 一生懸命頑張ります!
Hits:あははは。可愛い! 久々に聞いたよ、一生懸命頑張りますって(笑)。こちらこそ、一生懸命頑張ります! よろしくね!
首振りDolls一同:はい! よろしくお願いします!
Hits:みんなも11月20日の“ロックTシャツ限定ギグ”よろしくね!
KNZ:この日しか見れないgremlinsと首振りDollsが見れるので、是非!
ナオ:20日しか見れないセッションもやります! 11月20日『首狩祭』青山RizM、是非、見に来て下さい! よろしくお願いします!
KNZ:21日には同じく青山RizMでgremlinsのワンマンライヴ『Snatch of 「 」』なので、そちらも是非!
Hits:待ってます!
取材・文:武市尚子
【ライヴ情報】
11月20日 青山RiZM(gremlins/首振りDolls)
11月24日 代々木labo(FREE ONEMAN SOLD OUT)
11月26日 ロックンロール以外は全部嘘(ACOUSTIC ONEMAN)
11月29日 札幌CrazyMonkey(THE SLUT BANKS/スキッツォイドマン/首振りDolls)
11月30日 札幌CrazyMonkey(THE SLUT BANKS/スキッツォイドマン/首振りDolls)
12月16日 下北沢GARDEN(首振人形症候群レコ発 ONEMAN)
12月19日 小倉Mr.LEFTYS(ACOUSTIC ONEMAN)
12月20日 小倉FUSE(ONEMAN)
12月22日 大阪 堺FANDANGO(ONEMAN)
[2020年]
1月17日 名古屋CLUB ROCK’N’ROLL(ONEMAN)
1月18日 大阪大きな輪(ACOUSTIC ONEMAN)
1月19日 大阪味園ユニバース(イベント出演:ストロベリーソングオーケストラ主催 怪帰大作戦~闇堕六道巡り)
1月20日 大阪Bigtwin Diner SHOVEL(ONEMAN)
1月29日 池袋LiveGarage ADM(スキッツォイドマン/赤いくらげ/首振りDolls)
アルバム『首振人形症候群〜REVISITED盤〜』
2019年12月16日(月)発売
¥3,000(税込)
<収録曲>
01.teenage
02.ニセモノ
03.白糸
04.首輪
05.鏡地獄
06.赤糸
07.籠の鳥
08.ミナミ
09.嫌ダ!!
10.カンチガイ
11.タイムマシーン
【未公開過去音源】
12.被害妄想
【新録音源】
13.NO! NO! NO!
14.RAD
15.ニセモノpart2
16.リトルサマーベリーオレンジミルク
17.アンジェリーナ
【関連リンク】
首振りDolls、gremlinsと“ロックTシャツ限定ギグ”を開催! マンスリーインタビュー第10弾でHits、KNZと鼎談を実施
首振りDollsまとめ
NIGHTMAREまとめ
柩 from NIGHTMAREまとめ
彩冷えるまとめ