ポルノグラフィティが20周年のアニバーサリーイヤーの締め括りとして、9月7日・8日の2日間に渡って東京ドームでライヴ『20th Anniversary Special LIVE“NIPPONロマンスポルノ’19〜神vs神〜”』を開催。10周年の東京ドーム公演は1日だったが、今回は2デイズ開催で、セットリストの大半が異なっている“神セトリ”でお届け。ファンの期待も高く、両日ともにチケットがソールドアウトとなっていた。
9月8日、2日目は台風接近の予報。雨男で知られるポルノグラフィティだけに心配したファンも多かったはず。しかし開演時間には青空が広がっており、無事開演。火薬の特効が鳴り響き、ファンファーレが轟く。バンドメンバーがステージに登場したあと、この日は昭仁と晴一がセンターステージに現れた。予想外の登場に会場からは大きな拍手と歓声が起こり、「プッシュプレイ」でライヴがスタート。“東京ドーム!『神vs神』最終日! ポルノグラフィティデビュー20周年、お前らの魂の叫びを聞かせてくれ! 20年で一番の魂の叫びを!”と昭仁が煽り、「Mugen」へと続いていく。
“東京ドーム、盛り上がってますか? あんたらの心は熱くなってますか? 『神vs神』最終日、全てを出し尽くすよね? あんたらの気合はわかっとるよ(笑)。リミッターを外せ! 馬鹿騒ぎして帰りましょう!”と昭仁が挨拶をすると、晴一も“すごいよ、東京ドーム。お客さんの声が大きすぎてモニター(の音が)決められんかった。今日やらんといつやるんやって日やからね。最後までよろしく!”と前日を超える勢いの観客の声援の大きさに驚いたようだ。
そしてこの日も“僕らの始まりはこの人がいないと成り立たなかった”と、スペシャルゲストの本間昭光をステージに呼び込み、本間のピアノとともに「ミュージック・アワー」など初期の楽曲をメドレーで聴かせた。“風がないのになんでなびいてるんだろうと思ったら針金が入ってました”と、本間がポルノグラフィティのライヴを初めて観た時に昭仁が針金入りのスカーフをしていたのに驚いたというエピソードで和ませたあと、デビュー曲「アポロ」をコラボレーション。
1日目は昭仁の弾き語りで聴かせた「n.t.」をこの日はバンドサウンドで聴かせ、幻想的な雰囲気の中、「Twilight,トワイライト」でファンを魅了する。中盤、懐かしい映像が流れたあと、小鳥のさえずりが聞こえると笑い声が起こるが、初日に“おざなりな拍手は”とさみしそうに訴えていた昭仁を思ってか、温かい拍手が鳴り響いていた。“そんなに拍手くれるんじゃ。最高だ!”と昭仁も上機嫌。センターステージに移動して、アコギで「瞳の奥をのぞかせて」を弾き語りで披露するが、途中で昭仁の後ろにヴァイオリンを持ったNAOTOが登場。かつて長い間、ポルノグラフィティのサポートを行っていたNAOTO。ヴァイオリンの音色が響くと4年振りの共演に会場から割れんばかりの歓声と拍手が。続いて、晴一が「ウェンディの薄い文字」を歌い、温かい雰囲気を作り出した。
暗転し、次の曲へと移る時、ステージの後列に12人のストリングス隊にスポットライトが当たった。その一番左にはNAOTOの姿も。1日目はFire Hornsがスペシャルゲストとして登場し、ホーンセクションを生かしたアレンジで華やかに盛り上げてくれたが、2日目はNAOTOストリングスをゲストに迎え、深みのあるサウンドでポルノグラフィティの楽曲を演出してくれた。「リンク」に始まり、「サウダージ」「ブレス」が続く。「愛が呼ぶほうへ」では前半をストリングスと昭仁の歌で聴かせ、後半に晴一のギターとバンドメンバーの音が加わるアレンジで披露。NAOTOが昭仁のソロコーナーだけのゲストだと思って、名残惜しい気持ちでいたファンたちもストリングス隊との共演に感動し、涙を流す人もいた。
終盤は“ポルノグラフィティにとって新機軸になった曲、みなさんが屍(しかばね)になるほど熱くなってね”と炎の特効とともに「Zombies are standing out」を、モノクロの映像で演出された「サボテン」を聴かせ、再びNAOTOストリングスが登場し「ヒトリノ夜」「瞬く星の下で」をコラボ。「ハネウマライダー」でみんながタオルを回しひとつになり、「アゲハ蝶」では手拍子を響かせ、“ここ20年で一番の歌声を聴かせてくれ!”と昭仁が呼びかけると“♪ラララ〜”と大きな声での合唱となり“言うことなし! 最高!”と昭仁も笑顔を見せる。MCでは、結成の頃のことを思い出し、20年で一番素敵な景色を見せてくれたことをファンに感謝。そして最新シングル曲の「VS」で本編を締め括った。
“ポルノコール”に応えて、バンドメンバーとともに昭仁、晴一がステージに再登場。“まだまだ手を抜かんで、まだまだ行くんじゃ! 精も根も尽き果てるまで今日は行くんじゃ!”と「オー!リバル」を演奏。ステージの上手と下手に用意されたフロート車に昭仁と晴一がそれぞれ乗り込み、外周を回りながら晴一はギターを演奏し、昭仁は歌いながらバズーカ砲でサイン入りTシャツを客席に投下。メインステージに戻ったあとは「Century Lovers」を演奏した。
そしてスペシャルゲストの本間とNAOTOストリングスも再度ステージに登場。“皆さん、ご無沙汰しております。10年前、ここでこの景色をふたりに見させてもらいました。またこの場に誘っていただけたことを感謝、誇りに思います。最近ご一緒できてなかったんですけど、心はいつもポルノチームの一員だと思っております”というNAOTOの言葉、“期待と不安に満ちあふれたデビュー日。それから突っ走って、ちょっと距離を置こうと思ったのが10年前ぐらい。寂しいとかじゃないんですけど、家に帰ったら泣けまして…。またこうして一緒に2日間もご一緒させていただいてありがとございます。とにかく続けていってください。それが僕らの思いです”という本間の言葉がポルノファンの心に響いた。
最後の曲は「ライラ」。途中で晴一が“この20年、ポルノグラフィティで良かったなって思います。ポルノが俺たちにたくさんの出会いをくれたり、新しい場所に連れていってくれたり、新しい景色を見せてくれたり、ポルノが今ある全部をくれたといっても過言じゃないかもしれません。俺たちにとってのポルノグラフィティはそんな存在ですけど、皆さんにポルノグラフィティは何か幸せを与えられたのでしょうか? 皆さんに受け取ってもらえたのでしょうか? これからもいろいろあると思いますが、そんな時こそ、岡野さん、(続きを)お願いします”“承りました! 皆さん、まだまだ踊りましょう! 歌いましょう!泣きましょう!笑いましょう!そんな最高の皆さんが主役ですから。あんたたちは最高なんよ! 胸張っていけ! 自信持っていけ!”と、晴一から昭仁にメッセージをつなぎながら大団円を迎えた。
最後はステージのビジョンに“祝20歳”の文字が映し出され、東京ドームのビールの売り子が登場し、5万人の観衆と乾杯、昭仁と晴一が大ジョッキのビールを酌み交わして東京ドーム2デイズの幕が下ろされた。
取材:田中隆信
【セットリスト】
1. プッシュプレイ
2. Mugen
3. THE DAY
4.メドレー
~ミュージック・アワー
~マシンガントーク
~ヴォイス
~狼
~ミュージック・アワー
5. アポロ
6. n.t.
7. Twilight,トワイライト
8. 瞳の奥をのぞかせて
9. ウェンディの薄い文字
10. リンク
11. サウダージ
12. ブレス
13. 愛が呼ぶほうへ
14. Zombies are standing out
15. サボテン
16. ヒトリノ夜
17. 瞬く星の下で
18. ハネウマライダー
19. アゲハ蝶
20. VS
<ENCORE>
1. オー!リバル
2. Century Lovers
3. ライラ
■ポルノグラフィティ オフィシャルHP
https://www.pornograffitti.jp
Blu-ray&DVD『ポルノグラフィティ 20th Anniversary Special Live Box』
2019年12月25日(水)発売
【Blu-ray】
SEXL-140~4/¥24,000(税込)
【DVD】
SEBL-280~7/¥20,000(税込)
<収録内容>
1.『16th ライヴサーキット“UNFADED”』横浜アリーナ公演の模様
2.『16th ライヴサーキット“UNFADED”』ツアードキュメント映像
3. スペシャルな20周年LIVEの映像(詳細は後日発表)
4.これまでのライヴを振り返りながらメンバーが語る、本ボックスのために収録した「しまなみテレビ特別編」
※その他、豪華特典封入予定
※12月25日(水)同日に『16th ライヴサーキット“UNFADED”』のみを収録した映像商品もリリース予定(『ポルノグラフィティ20th Anniversary Special Live Box(仮)』に収録される『16th ライヴサーキット“UNFADED”』横浜アリーナ公演の模様と同じ内容です。
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