9月14日(土)と15日(日)に千葉県・袖ケ浦海浜公園で開催された『シミズオクト Presents 氣志團万博2019 ~房総ロックンロール最高びんびん物語~』。台風15号の影響で袖ヶ浦市内はいまも停電している家があり、開催すら危ぶまれた今年の万博でしたが。しかし。終わってみれば、「中止という選択はなかったのでは?」と思うほど素晴らしく、一生記憶に残るであろう2日間になりました。つうことで、そんな今年の『氣志團万博』から、最高かよ!だった5曲を紹介。やっぱり音楽の力って素晴らしい!
■「Do You Remember Rock’n’Roll Radio?」(’80) /RAMONES
毎年、『氣志團万博』のオープニングVTRのBGMとして使用され、出演者を紹介する煽り映像ととに参加者の気持ちをブチ上げてくれるこの曲。『氣志團万博』開催の英断を下した主催側にも苦悩があっただろうが、参加する側にも苦悩や不安があった今年。開会宣言で綾小路 翔(氣志團)が開催を決断するに至った想いを熱く語った後、「とことん音楽を楽しんでください!」と伝えて映像と共にこの曲が流れた瞬間、不安や懸念が払拭されたあの感覚は忘れない! そして初日、トップバッターとして登場した氣志團。東京スカパラダイスオーケストラのホーン隊をゲストに披露した1曲目が「Do You Remember Rock’n’Roll Radio?」。《Rock’n’Roll Radio 最高!》と歌詞を替えて歌ったこの曲に、オーディエンスは何の遠慮をすることもなく、拳を高々とあげた。ロックンロール最高!
■「一番偉い人へ」(’92)/とんねるず
初日、メインであるYASSAIステージの大トリとして登場した木梨憲武。煽り映像で綾小路が「ノリさんはパンク」と語ったように、100人のダンサーを引き連れてパフォーマンスした西城秀樹のカバー「YOUNG MAN(Y.M.C.A)」、ヒロミ&カンニング竹山がサプライズ登場して歌ったアリスのカバー「チャンピオン」とやりたい放題だった木梨のステージは、まさにパンク! 「57歳のジジイ、やれるだけやってみます!」とソロデビューすることも発表したライヴ終盤、綾小路を招いて歌ったのがとんねるずの大名曲「一番偉い人へ」だった。《一番偉い人へ 俺たちは 今何をするべきか?》と問いかける歌詞があまりにも今の状況とマッチしていて、僕らに考える機会と気付きを与えてくれたのだが…選曲したノリさんには問題提議の意識などまったくなかったはずで、それもまたパンク!
■「鋼の意志」(’13) /ももいろクローバーZ
今年で8年目となる『氣志團万博』。気付けば皆勤賞は氣志團とももクロのみということで、友情と愛と感謝を込めた感謝状を互いに贈り合うなど、『氣志團万博』への想いを込めたスペシャルなステージで魅了した彼女ら。今年はバンド編成の豪華ステージで沸かせたが、これからも氣志團万博に出演し続けること、これからも一緒に歩み続けることを誓い歌った「鋼の意志」は最高にロックだったし、これまで8年に渡って氣志團と紡いできた『氣志團万博』の物語を思い出してグッときてしまった。ラスト「行くぜっ!怪盗少女」では、百田夏菜子が恒例のチャレンジコーナーでラグビーのゴールキックを決めた後、花道でエビ反りジャンプ! 何万人の期待と注目を背負った、夏菜子のジャンプにいつも涙してしまうのは僕だけだろうか? ももクロはいつでも燃えて泣ける。
■「雨上がりのステップ」(’18) /新しい地図
2日目夕方、『氣志團万博』初登場となった田原俊彦が圧巻のステージで魅了した後、YASSAIステージに降臨した、稲垣吾郎・草彅剛・香取慎吾。せり上がりから3人が登場すると、会場中から熱狂的な歓声が上がる! 1曲目「#SINGING」から本当に楽しそうに歌い踊っていた3人。氣志團を迎えて、草彅がアコギの弾き語りで披露した斉藤和義「歩いて帰ろう」のカバーなど、ちょっと信じられない光景が目の前に展開する中、「フェスの楽しさを知らなくて今まで損してきた。いくつになっても新しい挑戦はし続けたいよね」と香取が語り、ラストに歌ったのが「雨上がりのステップ」だった。フェス出演という新しい挑戦に果敢に挑む3人の姿は文句ナシにロックだったし、彼らの登場が『氣志團万博』にまた新しい地図を広げてくれた。
■「スタンディング・ニッポン」(’12)/氣志團
2日目の大トリを務めたのは、『氣志團万博』主催者である氣志團。GIG中盤、「俺が音楽を好きになるきっかけを与えてくれた、今年亡くなったあの方に一方的に捧げます」と綾小路が語り始まったのは、光GENJIのカバー「パラダイス銀河」で始まったジャニーズ・メドレー! 少年隊の「仮面舞踏会」、嵐の「Love so sweet」、SMAPの「俺たちに明日はある」など、愛とリスペクト全開のカバーに大盛り上がりだった会場。本編ラストは地元・千葉にエールを送るべく自身の楽曲「スタンディング・ニッポン」を「スタンディング・房総」と替えて、力強く披露。開会宣言で「俺たちが夢見た音楽の先には必ず希望がありました」と語っていた綾小路。2日間、音楽から生まれる会場のポジティブなエネルギーを感じ続けていた僕はこの曲を聴きながら、この先に必ず希望があることを確信していた。
TEXT:フジジュン
フジジュン プロフィール:1975年、長野県生まれ。『イカ天』の影響でロックに目覚めて、雑誌『宝島』を教科書に育った、ロックとお笑い好きのおもしろライター。オリコン株式会社や『インディーズマガジン』を経て、00年よりライター、編集者、デザイナー、ラジオDJ、漫画原作者として活動。12年に(株)FUJIJUN WORKSを立ち上げ、バカ社長(クレイジーSKB公認)に就任。メジャー、インディーズ問わず、邦楽ロックが得意分野だが、EBiDANなど若い男の子も大好き。笑いやバカの要素を含むバンドは大好物。
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