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ZIGGY、森重樹一のポリープ切除手術から復帰第1弾ライブを実施

森重樹一、そしてZIGGYが帰ってきた。2018年末に声帯ポリープが見つかり、その切除手術を春のツアー終了後に行なった森重樹一。手術は無事終了し、その後ニューシングルの制作に入っていたことも本人のブログでも明らかになっていたが、ZIGGYがファンの前に姿を現わすのは、術後初(なお、森重個人としては8月14日にはカヴァー・セッション・イヴェントで新横浜ニュー・サイドビーチでライヴを行なっている)。

春のツアーの最終公演から数えると、期間だけでみれば3カ月だが、ファンにとっては長い3カ月間だったと思われる。そんな、まさに“待望”のステージが8月24日に東京・八王子オリンパスホールで行なわれた。その復帰第1弾ライヴの模様をお伝えしよう。

……とその前に、この日のリハーサルで印象的なシーンがあったので軽く記しておきたい。通常のリハーサルでは、当日演奏する曲をプレイしつつ、バンドサウンドのバランスやプレイの細かな調整を確認するが、そうしたことも行ないつつ、ドラム・ソロ〜ベース・ソロのリハーサルも行なわれたのだ。それも、森重がリハーサルの残り時間をスタッフに確認して“ソロ(のリハ)をやっとく?”と提案したもの。そうしたちょっとした一瞬の空気感からもZIGGYが森重のソロ・ユニットではなく、5人のバンドとしていい状態であることが感じられた。また、リハーサル自体は、1時間以上行なわれ、この日のセットリストの中から10曲以上がプレイされたであろうか。そのリハーサルにも全力で臨むメンバー達。本番前にすでに汗びっしょりになっていた姿も心に残った。

そして迎えた、ライヴ本番。オープニングSEの「威風堂々」に導かれ、メンバーが登場。CHARGEEEEEE…(ds)がステージ中央で“帰ってきたぜ、ZIGGY!!”と叫び、会場のテンションを一気に引き上げる。そのテンションのまま「EASTSIDE WESTSIDE」「ROCK SHOW」「ヒカリノアメ(hyper punk ver.)」というアッパーな3曲を立て続けに披露! その歌いっぷりからは、ポリープ切除手術の影響を感じることはない。森重らしい、“ややハスキーでロックな声”は健在だし、ステージングを含めて、むしろパワフルになった印象さえ受ける。

「銀のパレット」を終えての2回目のMCでは、八王子ネタや森重の生まれ故郷である三多摩ネタを絡める。そして、“ロックン・ロール、聴きたいか?”という森重の言葉に続き、懐かしい「PASSION REDのおまえを抱いて」がプレイされる。さらに、ファースト・アルバム『ZIGGY〜IN WITH THE TIMES』から「I WANT YOUR LOVE」など3曲が演奏された。

ファーストアルバムが発表されたのは30年も前になるが、今のZIGGYの手にかかると30年前の楽曲が今のタフさやトーンを伴って“2019年のロックン・ロール”として響きわたっていく。また、MCではその『ZIGGY〜IN WITH THE TIMES』のリレコーディング作の歌入れを明後日(8月26日)に行なうこと、そしてそのファーストアルバムが当時国立市に住んでいた森重にとって、その思い出も含めて“三多摩くさいアルバム”だということが語られた。そのMCの流れで届けられたのは「BIRDS ON STRINGS」。森重がアコースティック・ギターを手に歌い上げるバラードは前半のハイライトのひとつであっただろう。

“Ladies & Gentlemen, Mr. CHARGEEEEEE…!”という森重のシャウトに続いて、ドラムソロへ。派手なルックスと派手なアクションでドラムを叩きまくるCHARGEEEEEE…。そして、CHARGEEEEEE…が“相方”と言うToshi(b)をステージに呼び込み、ベース・ソロ・タイムへ。ZIGGYではピック弾きと指弾きを交えたグルーヴィなプレイでライブを支えるToshiだが、このソロタイムではスラップやタッピングも見せ、驚かせてくれる。リズム隊でのソロ終盤でのCHARGEEEEEE…が叫んだ“これが今のZIGGYのリズム隊だぜ!”という言葉には強い自信も感じられた。

後半は、再始動後の楽曲を中心に組まれたこともあり、今のZIGGYをより強く印象付けることになったのではないだろうか。ステージを左右に動き、拳を振り、全身で盛り上げていく森重、着実でいて個性も感じるプレイとコーラスで大活躍するカトウタロウ(Gu)、そのカトウタロウとともにフレーズと多彩な音色でZIGGYのロックン・ロールを彩っていく佐藤達哉(Key)、そしてToshiとCHARGEEEEEE…のリズム隊。バンドならではの一体感、ZIGGYならではの世界観が繰り広げられていく。

「踊らされたくないのなら」を終えてのMCでは、ニューアルバムの曲作りを進めて、日本全国にもっともっとロックンロールを伝えていきたいと語ってくれた森重。その決意表明に続いて、アコースティックギターを手にバラードの「君の笑顔より美しい花を知らない」を届けてくれた。レポート冒頭ではポリープ切除手術の影響を感じさせないと記したが、最後のサビのハイ・トーンの伸びを聴いた時、手術がいい結果に結びついたなと感じられた。

また、この楽曲はリリースから1年半ぐらいだが、すでにZIGGYの代表曲と呼んでも差し支えないほどにファンに浸透しているのではないだろうか? そして、そのことはZIGGYが自身の過去の名曲に頼ることのない、現在進行形で名曲を生み続けているバンドである証しにもなっていると思う。

本編最後はアルバム『ROCK SHOW』収録の「WONDERFUL FEELING」からシングル「ヒカリノアメ」収録の「MELODY」という流れ。これは、2019年春のツアーの最終公演だった5月24日のZepp DiverCity Tokyoの本編最後と同じだったのだが、ここにも最新のZIGGYが最高であるという自負が表われているように感じられた。

アンコールでは、まずニューシングル「I STAY FREE FORVER」の話に触れ、森重は表題曲は「ここから消え失せろ」にしたかったが歌詞で“f××k”を連発しているからムリということになったと語り、軽く笑いを誘う。その話からてっきりニューシングルがプレイされるのかと思いきや、流れてきたのは「君のままでいいから」だった。うんうん、新曲は10月9日まで楽しみに待っておこう。そして、「君のままでいいから」を聴いているとグイグイと曲に引き込まれ、カトウタロウのソロ・フレーズも含めてアンコールでこの曲を聴けてよかったなと思わせてくれた。

2度目のアンコールではCHARGEEEEEE…のツーバスで疾走感を煽る「TEENAGE LUST」から代表曲中の代表曲「I’M GETTING’ BLUE」へ! 観客の大合唱とともに、この夜の何度目かとなるクライマックスを迎えることとなった。そうなると、メンバーが去ってもアンコールの声は大きくなるばかりだ。

すぐに5人がステージに現われる。そして、森重がこの曲の背景となった当時の新宿の話から“その曲を今、八王子でやります”と語り「TOKYO CITY NIGHT」へ。続けざまに最後の最後に「GLORIA」をプレイ! 森重と観客全員の歌声が会場を揺らして、ZIGGY復帰の第1弾ライブは幕を閉じた。

そう、今夜はZIGGY復帰第1弾ライブだったのだ。終わってみれば、全29曲、3時間弱というヴォリューム、そしてグリッターでハード、そしてメロディアスなZIGGYのライブという面では、いい意味で“復帰第1弾”というスペシャル感はなかったかもしれない。それぐらい自然で、上り坂にいる近年のZIGGYの姿を見せてくれたように思う。

さてZIGGYの今後だが、10月9日にはシングル「I STAY FREE FOREVER」をリリース。そして、恒例となっている秋冬の全国ツアーが行なわれる。そのツアーは全26公演と、ZIGGY再始動後、最大規模のもの。この夜、加速し続ける自分自身を証明したZIGGY、その秋冬ツアーにも期待が高まるばかりだ。

【セットリスト】

1.EASTSIDE WESTSIDE

2.ROCK SHOW

3.ヒカリノアメ(hyper punk ver.)

4.この夜の向こうへ

5.その引き金を引け

6.銀のパレット

7.PASSION REDのおまえを抱いて

8.I WANT YOUR LOVE

9.LAZY BEAT

10.上海GIRL

11.BIRDS ON STRINGS

12.虹を見た

ドラム・ソロ〜ベース・ソロ〜リズム隊ソロ

13.CELEBRATION DAY

14.逃避行

15.LET ME GO ROCK’N’ROLL

16.I CANNOT GET ENOUGH

17.まだ見ぬ景色が見たくて

18.踊らされたくないのなら

19.君の笑顔より美しい花を知らない

20.STAY GOLD

21.ONE NIGHT STAND

22.DON’T STOP BELIEVING

23.WONDERFUL FEELING

24.MELODY

<ENCORE1>

1.君のままでいいから

<ENCORE2>

02.TEENAGE LUST

03.I’M GETTIN’ BLUE

<ENCORE3>

04.TOKYO CITY NIGHT

05.GLORIA

シングル「I STAY FREE FOREVER」

2019年10月9日発売

PECF-3241/¥1,500+税

<収録曲>

1.ここから消え失せろ

2.PRIMAL SCREAM

3.NEGATIVE SPIRAL

4.I STAY FREE FOREVER

DVD『LIVE 2018』

2019年8月21日発売

PEBF-3238/¥7,560(税込)

『ZIGGY TOUR2019』

10月11日(金) 新横浜NEW SIDE BEACH!!

10月14日(月/祝) 東京 Zepp DiverCity Tokyo

10月18日(金) 大阪BIG CAT

10月20日(日) 名古屋SPADE BOX

10月26日(土) 徳島club GRINDHOUSE

10月27日(日) 松山サロンキティ

11月01日(金) 札幌PENNY LANE24

11月03日(日) 帯広MEGA STONE

11月05日(火) 釧路NAVANA STUDIO

11月07日(木) 秋田LIVESPOT2000

11月09日(土) 仙台CLUB JUNK BOX

11月10日(日) 郡山CLUB#9

11月16日(土) 宮崎SR BOX

11月17日(日) 鹿児島SR HALL

11月21日(木) 神戸VARIT.

11月23日(土) 岡崎CAM HALL

11月24日(日) 岐阜CLUB ROOTS

11月28日(木) 金沢GOLD CREEK

11月30日(土) 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE

12月01日(日) 長野CLUB JUNK BOX

12月06日(金) 広島セカンド・クラッチ

12月08日(日) 米子AZTiC laughs

12月13日(金) 名古屋ボトムライン

12月15日(日) 博多DRUM Be-1

12月26日(木) 東京 中野サンプラザホール

12月27日(金) なんばHatch

<チケット>

一般チケット料金:6,000円(税込)

一般発売日:8月10日(土)10:00〜

※会場により入場時別途ドリンク代必要

※全席指定公演以外は未就学児入場不可

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