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灼熱の夏をさらにエンジョイできる5曲

8月は夏フェスシーズン真っただ中で、各地で大盛り上がりを記録し、「今年、夏フェスを初体験した!」という10代の若者も多いようだ。実際のライヴパフォーマンスを観て、そのアーティストを好きになり、音楽にのめり込むきっかけになったという人も多いのではないだろうか。今やフェスは完全に文化として定着しており、今年はネット上で生配信を行なっているところも多い。音楽と出会う場面が圧倒的に多くなる中、暑い夏にぴったりの楽曲を選んでみました。終わらない夏気分に浸れるエネルギーに満ちあふれたサウンドをどうぞ!

■「PA PA YA!!(feat.F.HERO)」 (’19)/BABYMETAL

10月11日に遂に約3年半ぶりになる3rdアルバム『METAL GALAXY』を発表することになったBABYMETAL。「メタルの銀河を旅する」をテーマに据えた内容で、ゲスト陣の豪華さも話題になっている。B’zの松本孝弘(Gu)、SABATONのヨアキム・ブローデン(Vo)、ARCH ENEMYのアリッサ・ホワイト=グラズ(Vo)、Polyphiaのティム・ヘンソン(Gu)、スコット・ルペイジ(Gu)と名を連ねる中、既に配信済みで新作にも収録されるのがこの曲だ。タイの巨漢ラッパー・F.HEROを迎え、BABYMETAL初となる超アッパーなサマーメタルを作り上げた。ライヴでも披露してくれたが、夏フェスカルチャーを飲み込んで、観客と一体感を図るアゲアゲ曲になっている。

■「無情のスキャット」(’19) /人間椅子

今年30周年を迎え、人気右肩上がりの人間椅子。その大きな節目に発表された21thアルバム『新青年』は、最高傑作の誉れ高きクオリティーを誇示している。とりわけ、MVになったこの曲は200万超えという驚異の再生数を記録。しかもコメント欄を覗くと、世界中のリスナーが様々な言語で感想を綴っており、メンバーも「宇宙人がいるのではないか!?」と冗談を飛ばすくらいの大反響を呼んでいる。人間椅子の楽曲はBLACK SABBATHの影響を受けていることもあり、ホラー要素も強い。夏=怪談というイメージもあるように、夏だからこそダークな爆音ハードロックにずっぽりと浸かってほしい。名曲です!

■「OKINAWA CALLING」(’14) /MONGOL800

『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019』の5日目最終日(8月12日)にあたるGRASS STAGEトップに登場したMONGOL800。ここでサポートになんとWANIMAのKO-SHIN(Gu&Cho)を迎えてライヴを披露し、観客の興奮ぶりは半端じゃなかった。言うまでもなく、WANIMAはMONGOL800から多大な影響を受けており、リスペクトしている筆頭バンドと言っても過言ではない。実際のライヴは今年7月に脱退したタカシ(Gu&Vo)の穴を埋めるべく、KO-SHINは歌やコーラスでも大活躍していた。その意味ではギターを弾けるだけではなく、歌えるKO-SHINの存在感はとてつもなく大きかった。この曲はライヴ鉄板のお祭り曲で、KO-SHINも笑顔を浮かべてプレイに集中する姿が印象的であった。

■「あんた飛ばしすぎ!!」(’19) /ももいろクローバーZ

ももクロ史上最高のパンクナンバーとなったこの曲は知ってる人はよく知っている、大阪発のベテラン・パンクバンド、GARLICBOYSの名曲である。それをももクロが大胆リメイクして楽曲にまた新たな命を吹き込んでいるのだ。ライヴでもこの曲の破壊力は凄まじく、ももクロのオリジナルナンバー?と思って聴いている人も中にはいるかもしれない。夏フェスでもリアクションは凄まじく、多くの観客が「ちょっとあんた飛ばしすぎ!」と大声で歌い上げる光景は、GARLICBOYSを聴いてきた世代としては、なぜかウルッと来てしまう。

■「Unsainted」(’19)/SLIPKNOT

SLIPKNOTのニューアルバム『WE ARE NOT YOUR KIND』がオリコンデイリーチャートにて初登場1位を獲得! メンバー9人がグロテスクなマスクを被り、“猟奇趣味的激烈音楽集団”というキャッチコピーに相応しいサウンドは、99年にデビューした当時から揺ぎない個性を放ち続けている。ただ、この新作は過去作とは一線を画し、新たなチャレンジをふんだんに盛り込みながら、SLIPKNOT節なるものを見事に屹立させた傑作に値する出来映え。荘厳なる鐘の音、ミサ風の女性コーラスを配したこの曲は不気味なホラー感を漂わせつつ、激越なヘヴィさとうまく融合させており、コリィ・テイラー(Vo)のスクリーム/クリーン・ボイスの使い分けも実に巧みだ。人間椅子同様、夏に浴びたい極上のヘヴィネスが渦巻いている。

TEXT:荒金良介

荒金良介 プロフィール:99年からフリーの音楽ライターとして執筆開始。愛読していた漫画『ジョジョの奇妙な冒険』(登場人物に洋楽アーティスト名が使用されていたため)をきっかけに、いきなりレッド・ツェッペリンの音源を全作品揃える。それからハード・ロック/ヘヴィ・メタルにどっぷり浸かり、その後は洋邦問わずラウド、ミクスチャー、パンクなど、激しめの音楽を中心に仕事をしてます。趣味は偏ってますが(笑)、わりと何でも聴きます。

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