今回はアーティストがセルフオマージュをしたMVを5本ピックアップ。過去作品を現在の目線で改めて表現されたMVたちを観ると、これまでの道のりを感じることができるだろう。そこには懐かしさだけでなく、着実に成長している姿も垣間見られるかも!?
■「PERFECT BLUE」(’13) /Base Ball Bear
主演を飾るのは、2011年公開のMV「short hair」にも出演した本田 翼。思い出を辿るように校舎を巡っていくシーンが印象的だが、これらには小出祐介(Vo&Gu)が数取器で数えているように、シングル「PERFECT BLUE」と同時リリースのベスト盤『バンドBのベスト』に収録されている全22曲を表現したシーンが仕掛けられている。図書室で本をドミノ倒しする「GIRL FRIEND」や、「初恋」の歌詞を引用して水溜まりを飛び越えるカットなど、かなり細やかに演出の数々。最後に“23”をカウントダウンしたところで本作のタイトルが表示される締め括りにも注目だ。
■「タイムマシーンにのって」(’18) /PUNPEE
ユニークなトラックメイキングとラップスタイルで注目されているPUNPEE。全編描き下ろしのアニメーションMV「タイムマシーンにのって」は、実写をトレースしてアニメ化するロトスコープ技法で撮影したこだわりの一本。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』をはじめとする映画のオマージュもキャッチーだが、中には交際報道で週刊誌に撮られたPUNPEEの写真をアニメしたり、過去のイベントのフライヤーが登場するなど、ファンにとってもツッコミどころ満載。細かな点に着目してみれば、彼の伝えたいことが見えてくるかも?
■「床の間正座娘」(’19) /NMB48
エースの山本 彩が卒業後、初となるシングルで、山本と同期の1期生・白間美瑠がセンターを務めた楽曲。MVには原点回帰のメッセージが込められており、デビュー曲「絶滅黒髪少女」の冒頭シーンをオマージュしている。障子を背景にして、白間が和室の廊下を優雅に通り過ぎるさまにはどことなく懐かしさを感じた。地下駐車場でド派手な衣装を着たメンバーがキレのあるダンスを披露する姿は華麗で色っぽく、初心を忘れずに前へ突き進む覚悟が感じられる。
■「唇にBe My Baby」(’16) /AKB48
2016年3月まで在籍していた高橋みなみがセンターを務めたラストのシングル。シングル「会いたかった」(2006年)のMVのロケ地であった千葉県館山市の洲埼灯台で撮影され、コンセプトは‟バトンタッチ”。「会いたかった」でセンターの前田敦子が白いイヤホンを付けている場面を高橋が受け継ぎ、メンバーの持つガラケーがスマホになっているなど、全面に世代交代の意味合いが打ち出たMVとなっている。
■「if…New ver.」(’18) /DA PUMP
2000年9月にリリースした珠玉ナンバー「if…」のMVを2018年バージョンとして撮り直した作品。衣装も当時のMVを意識した白黒のデザインスーツで、お馴染みである壮大な樹海には懐かしさがありつつも、4人から7人体制となり、ダンスにもさらなる磨きを掛けたメンバーが放つオーラは別物だ。なお、同じく過去MVを再現した「ごきげんだぜっ!~Nothing But Something~New ver.」も見逃せない。
TEXT:小町碧音
【関連リンク】
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