海外のポップミュージックを取り入れたハイブリッドなサウンド、ポップかつエッジ—な楽曲によって注目を集めているマキアダチが、8月11日(日)、下北沢GARDENで企画イベント『heart of noise Vol.1』を開催する。出演するAnly、Heavenstampにお互いの交流、イベントに対する意気込みを語ってもらった。
■素直にカッコいいと思っている方々に 声をかけさせてもらいました
——2019年8月11日、マキさん企画のイベント『heart of noise Vol.1』を開催しますが、出演陣としてAnly、Heavenstamp、中村月子さんとなっています。このキャスティングはマキさん自身が?
マキ:私が素直に“カッコいい”と思っているアーティストのみなさんに声をかけさせていただきました。まずAnlyさんは2年くらい前に存在を知ったんですけど、すぐに“ヤバい人がいる!”と思って。
Anly:ヤバい人(笑)。
マキ:(笑)対バンする機会もなさそうだったので、今回のイベントにぜひ出ていただいきたいなとお声がけして。
Anly:マキさんとは昨日、初めてちゃんとお会いしたんですよね、じつは。
マキ:“ラム会”に呼んでもらったんです。
Anly:ラム肉が好きな女子が集まる会なんですけど(笑)、中村月子さんも一緒だったから、“マキさんも呼ぼう”ってなって。いろいろ話してたら、好きなものがけっこう似ていることがわかって。
マキ:好きなディズニーのキャラクターとか。
——ちなみにHeavenstampのおふたりは、ラム肉大丈夫ですか?
Tomoya.S(Heavenstamp):大好きですよ。
Anly:じゃあ、次回はぜひ。男性も大丈夫です(笑)。
マキ:Heavenstampとは以前、たまたま同じイベントでご一緒したことがあるんです。ずっと曲は聴いていて、カッコいいなと思ってたので挨拶したいなと。でもそういうのが苦手だから15分くらい悩んだんだけど、意を決してご挨拶させてもらいました。
Sally♯cinnamon:マキさんの音楽は一聴して”好きだな”と思ったし、自分たちと近いものを感じたんです。同じような音楽を聴いて生きてきたんだろうなと思って、だからぜひお近づきになりたいなって。
Tomoya.S:アルバムを聴かせてもらったときも、コード進行やサウンドを含めて、“俺が作りそうな曲だな”と(笑)。実際、好きなアーティストもすごく近かったんですよね。
マキ:一緒に曲を作ったこともあるんです。最高に楽しかった。
Sally:好みの音楽が似てるから、話が早くてすぐ出来ました。
Tomoya.S:そうだね。歌詞までちゃんと出来てるんだけど、2年くらい置いたままだよね(笑)。
——AnlyさんとHeavenstampのつながりは?
Anly:以前、渋谷のeggmanで対バンさせてもらったことがあって。「Around the World」という曲がすごく良くて、それ以来、SNSなどでチェックさせてもらってます。“今日もライブやってるんだな”って。
Sally:ありがとうございます。最初にAnlyさんのライブを観たとき、“19才最後の…”ってMCで言ってて。
Anly:あ、その頃ですね。
Sally:アコースティックギターとルーパーでライブをやってたんですけど、表現したい世界感がしっかりあって、それを一人で作り出しているのがすごいなって。私も“ヤバい人がいる!”と思いました(笑)。
Tomoya.S:すごく記憶に残ってますね。マキさんは音楽的にも近い感じがあったんですけど、Anlyさんは“自分たちにはないものを持っている”という印象で。どちらもリスペクトしているんですが、少しタイプが違うのかなと。
——なるほど。マキさんはAnlyさんの音楽性について、どんな印象を持っているんですか?
マキ:最初に聴いたのが「VENUS」で、なんて美しい曲だろうと思ったんですよね。その後、いろんな曲を聴かせてもらって、先日のワンマンライブも見に行かせていただいたんですが。何ていうか、キレてる曲もあるんだけど、愛があるんですよね、Anlyさんの音楽は…。“キレてる”は違うかな(笑)。
Anly:言いたいことはすごくわかります(笑)。モノ申したいところもあるので。
マキ:そうかも。反骨精神みたいなものが根底にありながら、すべてに愛があるというか。私もHeavenstampもそういう感じがあると思うんですよね。“こうじゃなくちゃいけない”ということに捉われず、愛を持って、音楽を楽しみたいっていう。
Anly:ふだんの生活のなかで“憤りを感じてます”とはなかなか言えないけど、音楽にすることで伝えられることもあるだろうし。私が思っているのは、どんなに怒りや憤りを感じていても、相手も人間だし、ひとりひとりにストーリーがあるということなんです。誰もが抱えているものがあるんだから、愛情を持って接しないと上手くいかない。大きい話になっちゃいますけど、世界的にもそうだと思うんです。
マキ:そういう感情がすべて情熱につながって、音楽になるんだろうなって。怒りや憤り、哀しみを音に昇華して、それがパワーになっていくというか。
Sally:わかります。いまAnlyさんが言った“ひとりひとりにストーリーがある”というのは自分たちも同じことを感じていて。お互いのストーリーを理解しないと、いさかいやすれ違いが起きてしまうし、みんながいっぱいいっぱいで、利己主義になると世界が悲しいことになると思うんですよね。でも、それをプラスに持っていけるのも人間だけじゃないかなって。それぞれの人のなかには必ず愛が潜んでいるし、それを思い出そうということをテーマにした曲をずっと作ってきたんですよね。特に新しいアルバム(『Love Builders』)は全曲、愛について歌っていて。そこがおふたりとリンクしているのは、すごく嬉しいです。
■アーティストとお客さんが 音楽でつながれる1日にしたい
——それぞれの音楽性について、もう少し聞かせてください。いま話に出たHeavenstampの新作「Love Buliders」は、これまでの作品に比べてエレクトロ、打ち込みの要素が増えていますね。
Sally:曲に関してはすべて彼(Tomoya.S)が作っているんですが、新しい要素やいま好きなことを取り入れているのかなと。私は横で“こんなことしたい”って思い付きで言ってるだけなんですけどね(笑)。
Tomoya.S:“もっとメロディを派手にしたい”とか。確かに自分が聴いている音楽によって、作る曲も変化しているのかも。アルバム、どういう感じで作ったんだったかな…。
Sally:(笑)もう次のアルバムに取り掛かってるんですよ。
Tomoya.S:いまはバンドサウンドの曲を作ってますね。
——既に次のモードに移行している、と。マキさんも時期によって音楽的モードが変化してますよね?
マキ:その通りです(笑)。アレンジに集中して打ち込みで音を重ねていくこともあるし、アコギとピアノだけで作ってコーラスを厚くすることもあるし、あえて薄いトラックで曲を作ることもあって。ゲームにハマってるとゲーム音楽っぽいものを作りたくなるし、クラシックを聴いてるとストリングスを入れたくなったりしますからね。いろんなテイストの曲があるんだけど、まとまるとマキアダチらしくなってるといいますか。
——最新作「ALIVE!!!」もまさにそういう作品ですよね。エレクトロ、ギターロック、R&Bテイストの曲も入ってますが、全体を通してマキさんの個性が色濃く反映されていて。Anlyさんも作品を発表するごとに音楽性が広がっている印象がありますが。
Anly:そうですね。1stアルバム(『anly one』)はバンドサウンドで、自分のルーツであるロック、ブルース、フォーク、カントリーなどが中心になっていて。東京に来て、いろいろな音楽を聴いたり、ライブに行く機会が増えて、自分になりに吸収したものを表現したのが2ndアルバム(『LOOP』)だったんですよね。ご縁があって、LAに住んでいるアレンジャー(Juan Ariza)と一緒に制作したんですが、彼はコロムビア出身なので、サウンドにも南米のテイストが入ってきて。洋楽っぽい要素も増えたし、とにかく制作の工程が楽しかったんですよ。『LOOP』というタイトルということもあって、アルバムのツアーでもループペダルを使っていました。
——話を聞けば聞くほど、イベントへの期待が高まります。『heart of noise』というイベントのタイトルについては?
マキ:“アート・オブ・ノイズ”(80年代から活動するUKのエレクトロ・ユニット)から取ったわけじゃないですよ(笑)。みなさんの音源を聴きながらすごい悩んでタイトルを考えたんですけど、基本的に音楽至上主義というか、絶対に音楽が必要な方たちだなと思ったんです。さっきも話してたけど、歌詞からはすごく愛が伝わってくるし、しっかり意味があることを表現しているなって。“heart”には温かみがあって、“noise”は騒音ですけど、私のなかで“heart of noise”の訳は、《音の中心、核心》なんです。ノイズになるような強い音が心のなかで鳴っているイメージですね。
——すごく深い意味があるタイトルなんですね。いまのマキさんの話を受けて、どんなイベントにしたいですか?
Sally:愛に溢れた日にしたいですね。
マキ:うん、そうなると思います。
Sally:優しさも悲しさも、全部を音楽で抱きしめて、乗り越えていこうと思えるようなイベントにしたいなって。タイトルの意味を聞いて、よりグッと来ました。
Tommy.S:自分たちの曲で『Core of the noise』というインストがあるんですけど、同じような発想だなって。やっぱり似てますね(笑)。
Anly:私もみなさんと同じですね。音楽って生で聴くとぜんぜん違うし、ライブではお客さんとのコミュニケーションも取れるので、会場に集う人たちと一緒に体感したいなって。“このアーティストが好き”という理由で来てくれる人もいらっしゃると思いますが、“明日もがんばれそう”と思ってもらえるイベントにしたいし、そういうメッセージのある楽曲を多めにやりたいですね。
マキ:対バンのライブというより、みなさんでひとつの空間を作りたいんですよね。一体感のあるイベントになるはずだと思っているし、アーティストとお客さんが音楽でつながれる1日にしたいなって。
Anly:ライブの前にこうやって想いを話して、“こんなイベントにしたい”って話し合えるんだから、普通の対バンとは違いますよね。もう成功していると思います、このイベントは。
Sally:そうですね!
マキ:そう言ってもらえると嬉しいです。この日を特別な1日にしたいんですよね。音楽を聴いて、泣いてもいいし笑ってもいいし。最後には“このイベントに来て良かった。今日は良い1日だった”と思ってほしいなって。
——記念すべき第1回の『heart of noise』めちゃくちゃ楽しみです。この日だけの特別な演出もありそうですか…?
マキ:コラボレーション的なことですよね? もし、みなさんが良ければ…。
Anly:ぜひやりましょうよ。
Sally:やりましょう!
Anly:イベントのタイトルに近しい曲があったらいいかも。テーマソングというか。
マキ:作ります! もともと「heart of noise」という曲を作ろうと思ってたんですよね。
Sally:そうなんだ! それいいですね。
マキ:すぐに覚えられて、みんなで歌えるような曲にしたいなって。あんまり言うとハードルが上がりそうですけど(笑)、がんばります!
取材:森朋之
撮影:内海沙南
■マキアダチ オフィシャルHP
https://www.makiadachi.jp
■Anly公式サイト オフィシャルHP
http://www.anly-singer.com
■Heavenstamp オフィシャルHP
http://heavenstamp.com
■ オフィシャルHP
http://nakamuratsukiko.com
■『heart of noise Vol.1』
8月11日(日) 下北沢GARDEN
開場:18:00 / 開演:18:30
出演:マキアダチ / Anly / Heavenstamp / 中村月子
<チケット>
前売¥3,500 / 当日¥4,000(+1D)
・チケットぴあ:http://w.pia.jp/t/heartofnoise/
・イープラス:https://eplus.jp/heart-of-noise/
・ローソンチケット:https://l-tike.com/heartofnoise/
・LINEチケット:https://ticket.line.me/sp/heartofnoise
■『heat of noise』公式サイト
https://heartofnoise.jimdofree.com
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