今回はアーティストが新体制となったタイミングで発表したMVを特集! 衣装に新鮮味があったり、中には楽曲のタイトルから新たな出発への意気込みが感じられる作品も。バンドやグループの活き活きとした状態が伝わってきます。
■「逆境ヒーロー」(’19) /Gacharic Spin
結成10周年のタイミングでアンジェリーナ1/3(MC)、yuri(Dr)を新メンバーに迎え、6人体制となったGacharic Spin。このMVはアンジェリーナ1/3加入後の初ライヴで、「逆境ヒーロー」を初披露した時の模様を収めているが、会場の隅々まで拳があがる熱狂ぶり! その後、加入予定だったヴォーカリストが発表前に脱退したことを受け、ドラム&ヴォーカルだったはながギター&ヴォーカルに転身し、新ドラマーのyuriが加入することとなる。 どんな“逆境”も乗り越えていくバンドのたくましさが表現された一曲に、ライヴに参加したガチャマン(男性ファンの呼称)&ガチャピン子(女性ファンの呼称)の名前もクレジットされたことを含め、一丸となって未来を切り開いていく様子を観ると、この先の困難も全て駆け抜けていきそうな逞しさを感じる。
■「いのちのよろこび」(’19) /でんぱ組.inc
1月の日本武道館公演をもって、グループの象徴とも言えるメンバーだった夢眠ねむが卒業(3月には芸能界引退)。再スタートを切るでんぱ組.incに注目が集まる中で発表されたのは、まさかのガングロメイク姿の6人だった。玉屋2060%(Wienners)が楽曲提供し、雨や空、太陽、光など自然が並ぶリリックと、“いのちのよろこび”というシンプルで壮大なタイトルからしても生命力があふれている。ジャングルや渋谷を思わせるシーンでも笑顔いっぱいでダンスをするメンバーからは新鮮なエネルギーが放出されており、ガングロメイクという想像もつかなかったビジュアルで方向性を広げていくメンバーの勇気と覚悟が今後の期待度をグッと引き上げる。
■「Ahead Ahead」(’19) /雨のパレード
3人体制となり、バンドの第二章の幕開けを飾るシングルに“Ahead Ahead=先に先に”というタイトルを付けた雨のパレード。MVは福永浩平(Vo)に寄ったカットから始まり、《涙で濡らした 僕たちの物語があって ひとつひとつに全部意味があった》と歌う歌詞を聴くと、バンドのこれまでの歩みを感じられずにはいられない。暗い夜道や夕暮れに照らされながら立ち竦む場面もあるが、福永が走り出すシーンには解放感があり、《もう迷わない僕たちは》というバンドの強い想いに心を掴まれる。編成が変わっても“再出発”ではなく、そのままの自分たちで新たなフェーズに突入していくという雨のパレードらしい意志が反映された一本。
■「DANCE」(’19)/PRIZMAX
日本のみならず、ミャンマーを中心とした海外への露出も着実に増やしているPRIZMAXに、新メンバーとしてケビン、森 英寿、小川史記の3人が加入! グループ名の表記を大文字にし、7人の新体制で打ち出したアルバム『FRNKSTN』(読み:フランケンスタイン)の収録曲「DANCE」は“2019年版Michael Jackson「スリラー」”がテーマ。ゾンビダンスを思わせる振付けを入れ込み、キャッチーながらも攻撃的なダンスナンバーに仕上がっている。白を基調とした衣装でのカットもあって新鮮さもアピールしつつ、アジアツアーを目標に掲げる彼らの気合いも感じられるキリっとした視線に注目!
■「Over The Storm」(’18)/M!LK
2018年8月より7人体制となったM!LKが新体制一発目に発表したシングル「Over The Storm」のMVは、これまで見せてきた少年っぽいイメージから一転、大人びた表情とシックな衣装で王子様っぽさを前面に出した仕上がりに。新メンバー3人を迎えたばかりでも息がぴったりのダンスシーンには団結力を感じ、決意を示すような《ハジマリは此処から》という歌詞も印象的だ。またソロカットが多く、クールにキメたひとりひとりの表情をしっかりと観られるのもポイントで、“変幻自在”というコンセプトを掲げるM!LKの新たな一面を知ることができる。
TEXT:千々和香苗
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