自身2度目の47都道府県ツアー『吉田山田47都道府県ツアー〜二人またまた旅2019〜』を開催中の吉田山田。8月24日(土)にはツアーファイナル、翌25日(日)には夏の恒例イベント『吉田山田祭り2019』を上野水上音楽堂で行ない、さらに11月30日(土)には中野サンプラザホールで『吉田山田10周年記念『大感謝祭』』も決定した。アニバーサリーイヤーを機に、さらに充実した活動を続けている吉田結威(Gu&Vo)、山田義孝(Vo)に聞いた。
——まずは現在行なわれている『吉田山田47都道府県ツアー〜二人またまた旅2019〜』について聞かせてください。このツアーでは47都道府県を6つのブロックに分けて、各ブロックでこれまでリリースしたアルバムを1作品ずつ全曲網羅し披露するという内容ですが、ここまでの手ごたえはどうですか?
吉田:「episode5」(アルバム『変身』6/8〜6/23公演)に入って、だいぶ最近の曲に近付いてきましたね。「episode1」(アルバム『と』3/2〜3/31公演)、「episode2」(アルバム『ココロノート』4/12〜4/20公演)あたりは、ずいぶんやってなかった曲もあったんですよ。
その頃の曲をいまの気持ちで歌うのが新鮮だったし、大変なことも多いぶん、楽しさも大きくて。ギターを弾くのも、いまがいちばん楽しいんです。
山田:そのぶん、僕はタンバリンを張り切って叩いてます(笑)。
吉田:今回はループマシンも使っているので、ギター弾いて、リズムもやって、ブルースハープも吹いて。ギャグで“これで同じギャラはおかしい”って言ってるんですよ(笑)。
山田:ハハハハ(笑)。
吉田:それは冗談ですけど(笑)。ちゃんとセッションできてる実感もあるんですよね。僕がいいグルーヴで演奏できたら、山田もちゃんと返してくれて。いい機材やいい音も大事だけど、主役はあくまでも歌と言葉。それがちゃんと伝えられているのはいいことだなって。
山田:そうだね。僕はそこまで実感してないというか、ふわっと「何かよかった」という感じですけど(笑)。
吉田:いろんな時期の曲を演奏することで、制作のときに自分たちがこだわっていた部分を改めて感じることもできて。10周年のタイミングでこういうツアーをやれたのは良かったですね。
山田:曲の作り方も時期によって変化してますからね。曲のなかにはその時期の気持ちが自ずと出ていると思うし、今回のツアーを通して「この時期はこういう感じだったんだな」と自分の心のなかを振り返るような感じもあって。
吉田:もしかたら、初めて“振り返る”という作業をやっているのかも。ずっと前だけを見て進んできたので、あまり振り返ることをしてこなかったんですよ。
——“10周年”はやはり大きな節目なんですね。
吉田:メジャーデビューした頃、最初に関わってくれたスタッフの方に「まずは10年続けることが大事」と言われていたんです。「10年やれたら、一生、アーティストとしてやっていけるかもね」って。いまは時代も違うし、音楽業界も変わってきてますけど、ずっと「10年続ける」というのが刷り込まれていたので。
山田:うん。デビュー当初は漠然と“何か”を追いかけていた気がするんですが、10年やってきて、音楽が生き方の一部になった感じがあるんですよ。自分たち自身がそのまま楽曲やライブに出るし、2人で「日ごろの生き方が大事だよね」という話もするようになって。
——深いですね…。“生き方が大事”と考えるようになったのは、いつ頃からですか?
吉田:3年前に47都道府県ツアーを初めてやったんですよ。「47【ヨンナナ】」というアルバムを中心にしたツアーで、47公演ほぼ同じことをやって。「次はもっといいライブをやろう」という気持ちでやってたんですが、なかなか壁を超えられなかったんです。「どうしてだろう?」と突き詰めて話しているなかで、気づいたことがあったんですよね。それまでは「ステージに上がるときにスイッチを入れる」という感じだったんですが、そうじゃなくて、普段の生き方がすべて出るんだなっていう。そのことをきっかけにして「10周年を迎えたとき、どういう自分たちでありたいか」「そのために何をするべきか」を考えるようになって。
——ライブの在り方も自然と変わりますよね。
吉田:そうですね。それまでは技術的な話をすることが多かったんです。「あそこの部分、ちょっとフラットしてたね」とか。そういうことはわりとどうでもよくて、「その日がラストライブになったとして、どうしたら後悔しないで終われるか」ということを考え始めて。
山田:だいぶ変わりましたね。前は「楽屋でいつもと同じように過ごして、そのままの雰囲気でステージに出る」ということを心がけてたんですけど、3年前からは「ステージで何を残せるか?」という気持ちでステージに立つようになって。上手く歌えなかったとしても、ちゃんと自分の気持ちを置いてこれたときは満足感があるんですよ。心を削ってる感じもあるから、クタクタになりますけどね。
吉田:2人でやってると、お互いのことが瞬時にわかるんですよ。「あ、いま置きに行ったな」とか(笑)。体はひとつしかないし、体力のことを考えて「ここは抑えよう」というのも必要なんですけど、優先順位としては一番ではないというか、いまは「やり尽くしたい」という気持ちが強いんですよね。
山田:どれくらい自分たちが出来ているのか、10周年のタイミングではっきり形になってきた感じもあるんですよ。それは10周年の完結でもあり、新しい始まりでもあって…。
——なるほど。そういう意識の変化は、楽曲にも影響しますか?
吉田:そうですね。“届けたい”から“残したい”に変わってきたというか。“届けたい”と“残したい”って、似てるようで少し違うんです。自分たちの価値を“売れる、売れない”ではかるのはちょっと虚しいと思っていて。一人でもたくさんの人に届けたいと思って曲を作ってきて、上手くいくときもあれば、ふるわないこともあったんですけど、いちばんはそこではなくて。僕らが一生懸命に生きて、それをなるべく純度の高い状態で形に残すことが、いまの自分たちにとっては大事なんですよ。
山田:うん。
吉田:いちばん変わったのは、この2人以外、誰も入れないで曲を作るようになったことですね。僕と山田の意見が分かれたときは、他の人の意見を聞くことが多かったけど、そうすると純度が下がっちゃうんです。
山田:2人だけで作るのって、ヒリヒリした感じもありますけどね。
——なれ合いじゃダメだし、当然、緊張感も必要ですからね。
吉田:そうなんですけど、自分たちの状態はこの10年でいちばんいいんですよね。お互いを尊敬できてるし、自分のことよりも吉田山田のことをいちばんに考えているので。ふたりで全部を決めるということは、成功しても失敗してもすべて自分たちの責任だし、そこはヒリヒリしますけど、いざこざとか言いづらいことはホントになくなりました。ふたりの時間をしっかり取るようになったのも大きいですね。お茶したり、ゴハンにいったり、まるで高校卒業したばかりの頃みたいです(笑)。
山田:確かにいまがいちばん話しやすいですね。いろんな話をしてるし、いい意味で肩の力が抜けて、柔軟性もあって。
——新曲の制作も進んでいる?
吉田:まさにレコーディングの最中なんですけど、いい感じですよ。次のアルバムはいいと思います!
山田:ハハハハ(笑)。
吉田:制作を通して、「ちゃんと僕らのなかに何かが育ってきたんだな」って感じられえて。純度が高い状態でモノ作りが出来ているので、いいものができると本当に嬉しいんですよ。
山田:手ごたえはすごくありますね。次が7枚目のアルバムになるんですが、5枚目(『変身』)、6枚目(『欲望』)と合わせて「10周年を締めくくる、3部作の完結編」と言っていて。大風呂敷広げ過ぎちゃったかなと思ってたんだけど(笑)、辿り着きたいところにちゃんと近づけている実感があるので。
——では、2019年後半のライブについて。8/24(土)には47都道府県ツアーのファイナル、25(日)には夏の恒例イベント「吉田山田祭り」を上野水上音楽堂で行い、そして11/30(土)には中野サンプラザホールで「吉田山田10周年記念『大感謝祭』」が開催されます。
吉田:8月のライブについては、あまり考えないようにしてるんです(笑)。たぶん、けっこうしんどいライブになるので。
山田:そうだね(笑)。
吉田:8/24のツアーファイナイルは、シングルのカップリング曲もセットリストに盛り込もうと思っているんです。47都道府県でアルバムの曲を全部やっているなかで、「カップリング曲が聴けなくて残念だった」という声もけっこうあったので、それをツアーファイナルでやろうと。
山田:いままでに2〜3回くらいしかライブでやったことない曲もあるんですよ。
吉田:うん。メインとなる曲もやるので、つまり“全部乗せ”ですよね(笑)。次の日の「吉田山田祭り」はバンド形式だから、脳の切り替えが大変そうだなと。
山田:もちろん楽しみですけどね(笑)。
吉田:「吉田山田祭り」は今年で5周年なんですよ。毎年楽しみにしてくれて、「来年も行こう」と思ってくれてる人がたくさんいるので、僕らもすごく嬉しくて。
——中野サンプラザの「大感謝祭」は10周年の集大成という位置づけですか?
吉田:集大成は47都道府県だと思っていて、そこで出し切りたいんですよね。「大感謝祭」では新しい曲もやって、“これからの吉田山田”を中心にしたくて。いま作ってる新曲にはすごく力があると思っているので…。もちろん「大感謝祭」なので、いままで愛してもらってきた曲、いろんな場面で聴いてもらった曲もやります。それをいまの僕たちが歌うことにも意味があると思うので。
山田:本当にいろんなライブをやってきたし、大雨が急に止むような奇跡(2016年8/20の日比谷野外大音楽堂)も経験して。今回もお互いに満足できるライブにしたいですね。まず、ちゃんとお客さんの顔を見て歌おうと思います。大きな会場で、たくさんの人が来てくれても、1対1という感覚も持っていたいので。
取材:森 朋之
【ライブ情報】
■『吉田山田47都道府県ツアー~二人またまた旅2019~』
6月22日(土) 三重・松阪 Live Music M’AXA
6月23日(日) 岐阜・club-G
6月29日(土) 山梨・甲府CONVICTION (※)
6月30日(日) 長野・長野CLUB JUNK BOX
7月06日(土) 新潟・studio NEXS
7月13日(土) 富山・富山SOUL POWER
7月14日(日) 石川・金沢AZ
7月15日(月・祝) 福井・福井CHOP
7月20日(土) 静岡・Live House 浜松窓枠
7月21日(日) 愛知・名古屋 DIAMOND HALL
(※)6月29日(土)公演チケット情報:http://bit.ly/2XDOGMu
■『吉田山田47都道府県ツアー~二人またまた旅2019 ファイナル~』
8月24日(土) 東京・上野水上音楽堂
チケット情報:http://bit.ly/2KLC1nr
◎ツアー情報ページ
https://yoshidayamada.com/pages/tour2019-47
■『吉田山田祭り2019』
8月25日(日) 東京・上野水上音楽堂
チケット情報:http://bit.ly/2I6wt58
オフィシャルページ:https://yoshidayamada.com/contents/235223
■『吉田山田10周年記念「大感謝祭」』
11月30日(土) 東京・中野サンプラザホール
チケット情報:http://bit.ly/2F2ZUTH
オフィシャルページ:https://yoshidayamada.com/contents/243148
一般発売日:6月22日(土)
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