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ポルノグラフィティ、東京ドーム2デイズ公演の意気込み“今までで最高のライヴと言われるステージを見せないといけない”

20周年イヤーを締め括る東京ドーム公演を発表したポルノグラフィティ。『東京ロマンスポルノ’09 ~愛と青春の日々~』と題し、10年前にも東京ドーム公演を行なっているが、今回は1日増えて2日間。デビュー記念日とその前日に当たる9月7日、8日の開催となる。『20th Anniversary Special LIVE “NIPPONロマンスポルノ’19〜神vs神〜”』と銘打って行なわれる、“神セトリ”のライヴ。20周年の集大成を見せてくれそうだ。

――アリーナツアー中、3月8日に横浜アリーナで10年ぶりの東京ドーム公演が発表されましたが、東京ドームという会場はやはり特別な場所ですか?

新藤晴一(Gu):国内の屋内会場としては最大ですからね。我々のようにデビューからメジャーバンドということを目標にしてきたグループにとっては、その象徴がドームなので。20年のタイミングでまたやれる、ポルノをドームのステージに立たせてやりたいというスタッフの気持ちも含め、期するものがありますね。

――10年前も東京ドームですから、区切りのいい会場というか?

岡野昭仁(Vo):10年前にドームをやるにあたって、僕らは嫌がっていたんですよ。音楽をする場所じゃないとか、他のアーティストのライヴを見に行ったら音響的に問題があるとか。でもそれは、裏を返せばビビっていたんだと思います。こんな大きな会場で僕らができるわけがないと思っていて。ただ、10年目はスタッフから、“ドームは10年で登りつめた最大級のハコだ、お前らの目標のひとつじゃないか”と言われて。当時は及び腰でしたけれど、実際にやってみて、スタッフの気持ち、ファンの気持ちがあそこに集約されていたと思います。

――乗り気じゃなかったというのは意外ですね。機は熟したように見えましたけれど。

岡野:ドームをやろうと言われて、いや~って言ってた記憶があります(笑)。

――じゃあ、やる前の不安も大きかったですか?

岡野:それもわかってなかったですね。あのハコに似合ってたのかどうかも。だから35曲というムチャな曲数で臨んで(笑)。

――35曲、4時間を超えるライヴでしたね。

岡野:見ているお客さんも長かったと感じたでしょうね(笑)。物量で勝負、しか思い浮かばなくて。

――終わってみて、やり切れたという手ごたえはありました?

岡野:疲れた、へとへとだった覚えがあります(笑)。でも、やり切れたと思います。

■ドームというスタンプがポルノにあるというのは、何かしらの自信になっている(新藤)

――ドームでライヴをやり切れたという事実は、自信につながったんじゃないですか?

岡野:ホントに必死過ぎて、どうだったのか記憶がほとんどないんです。とにかくいっぱい曲数やったぞという。

――一瞬で過ぎていった?

岡野:そういう感じですね、映像にも残ってなくて。

新藤:覚えているのが、3曲目ぐらいで振り向いたら、本間(昭光)さんがいて。“一回、肩の力を抜け”というジェスチャーをされていたんです。だから、オープニングから力が入っていたんでしょうね。その場面は覚えてますね。いい演奏をしたいという気持ちはあるけれど、ドームにたくさん人を集めておいて、ただ会場がデカくなっただけだと何のことかわからないから、この会場でやる意味をしっかり感じてもらえるようにしないといけないという不安はありましたね。

――この会場でやる意味というのは、10年間の感謝ということですか?

新藤:そうですね、例えばホールでのライヴだと、まだ来てくれる人の汗とか熱気を感じられるキャパですけど、ドームだとそうはいかない。10年応援してくれた人に対して、ドームでポルノがライヴをやるイメージは何なのかというのを感じてもらえるようにしたいとい考えていました。

――実際にやってみて、その手ごたえは得られました?

新藤:ドームというスタンプがポルノにあるというのは、何かしらの自信になっているというか。印はもらったという影響は何かしらあると思います。

――前回のドームで印象に残っていることというと?

岡野:マニアックな曲もやっていますね。これ以来やってない曲もありますからね。この1回だけとか。

新藤:ドラムは村石(雅行)さん、ベースは根岸(孝旨

)さん、キーボードは本間さんといった方々がバックを固めてくれていて。もちろん、サポートとしてはこの上なくしっかりやっていただいて、感謝しかないんですけど、世代もスキルも違い過ぎて、音楽的な会話で置いて行かれているところもあったんです。そういうところからも、自分的には借りてきた猫のような感じがあって。でも、そこから10年たって今のメンバーとは共通言語もあるし。そういう意味では、後ろから支えてもらうだけじゃないイメージがあります。

――その辺も踏まえて、サポートメンバーとの一体感を高めていきたい?

新藤:そうなると思いますし、その辺の自信はありますね。

岡野:確かに、当時は立たせてもらっている、という感覚はありましたね。僕らも前回から10年の経験がありますし、今のサポートメンバーと世代が近いというのもあるので、理解の深まったメンバーと回ってきた手ごたえがありますね。最近のアリーナツアー(「UNFATED」ツアー)で、あえて僕らにはこういう一面もあるということで、「アゲハ蝶」「サウダージ」といったシングル曲だけじゃない曲をいくつか取り上げたんですけど。ファンの方はパブリックイメージとかポルノといえばこれだけというイメージで見ることをしないで、広い間口でポルノを見てくれているのがわかったので。もちろん、ドームをやるからには必死でやりますけれど、前みたいな気負いはないかな。前回は“やるならやるけどどうなるかわからないですよ、当たって砕けろになるかも”だったのが、そういう感じではないですね。

――一度、ドームのステージに立つと違いますからね。10年ぶりとはいえ、二度目ですから。

岡野:その違いはあると思います、でもあまり覚えてない。本当に当たって砕けろだったから(笑)。オープニングの装置が壊れて、思ったようにいかなかったんですよ、直前でトラブルになって。でもその時はみんな笑ってました、しょうがないねって。僕が三点倒立してポップアップで出ていったらいいんじゃないか、とか(笑)。それでいいんじゃない?ってみんなも笑ってました。しかも、2曲目でヘアメイクを直したり。それぐらい当たって砕けろでしたから(笑)。ま、しょうがないですね、一日しかなかったし。時間もなかった。

■UNFADEDツアーで、やっと音楽の手綱をとれるようになってきたなと思えたんです(岡野)

――前回は1日でしたけれど、今回は2日間で。しかも曲目は被らないようにということですよね?

新藤:“だいぶ被らないように”、という感じです(笑)。

――まったく変えるわけじゃないけれど?

新藤:全部変えると、言い訳じゃないですけど、演出も含めてクオリティが落ちるんです。熱量を分散しないといけないから。でも、20年やってるので、その集大成という意味でも1日ではやり切れない。やりたい曲もたくさんあるし、2日間でポルノの20年を感じてもらえるセットリストになっていると思います。

――1日だけ見る人、2日間見る人も納得できるような?

新藤:そう思います。あの曲が聴きたかった、この曲が聴きたかったというのはどうしてもあると思いますけど、1日だけでもだいぶ濃さはあると思っているので。

岡野:2日間、セットリストを変えるというのは考えたら楽しいなと思ってきて。やる分量も演出も、パフォーマンスするうえでは大変でしょうけど、UNFADEDツアーをやってみて、やっと音楽の手綱をとれるようになってきたなと思えたんです。それが2日間、いろんな曲でいろんな表現ができると思ったら楽しみになってきました。大変ですけど、自分でも楽しみたいし、お客さんも楽しんでほしい。

――これだけ多くの曲があるから、いろんな見せ方ができるし、自分たちでも楽しめますよね?

岡野:1日目より2日目のほうが、同じセットリストなら精度が上がるんでしょうけど、今回は1日1日をピークに持っていくので、それはそれでやりがいがありますね。

――内容はかなり絞り込まれているんですか?

新藤:叩き台はありますね。開演時間が16時半だとドームはまだ明るいので、照明が効果的になり出す時間を精査したりとか。会場が広いので移動するならどれぐらい時間がかかるのかとか、そういった状況を加味して練っていく感じだと思います。

――“神セトリ”と発表されてましたけど、お客さんが神様という捉え方なんですよね?

新藤:今は何でも神って言いますからね。“この餃子は神だ”とか (笑)。アンケートをいただいた時にも、“今日は神セトリでした”と書かれていて。神セトリをやりますというより、聴いた人にそう言ってもらいたいというニュアンスですね。嘘でも言って、という感じでしょうか(笑)。でも、ファンとの信頼関係というか、ある程度理解してもらっているところもあるから、喜んでもらえるものになっているんじゃないかなと思います。

――ハードルが上がりますね。“20年やってるからわかるでしょ”っていう部分と、“20年でもまだ見せていなかったものを見せますよ”という意欲もあったり?

新藤:そうですけど、去年、しまなみのライヴ(しまなみロマンスポルノ’18~Deep Breath~)と、この前までやっていたアリーナツアーと、それからドーム公演と、しまなみの前から3つがおぼろげながら見えていたので。アリーナツアーでは、オリジナルアルバムもなく、代表曲を網羅したものでもなく、ポルノの深いところまで見せられたと思うんです。それに対して今回のドーム公演ということになるので、おのずと一緒に楽しもうという部分はあると思います。

――具体的にはまだだと思いますけれど、気持ちの上でこうしたい、というのは?

岡野:“神セトリ”って言った時点で、かなりハードル上がってますね(笑)。アリーナツアーで、僕らの間口を受け入れてくれている、わかってくれているというのを感じたというのもあるんですけど、どこかでいい意味での裏切りも見せたいですね。まだ内容は決まっていませんけれど、そういう意外な要素も盛り込んでいかないとなって、今思いました(笑)。

■ポルノは変えるべきものじゃないところは変えずにやって来た、その姿をファンの人たちに見てほしい(新藤)

■今までで最高のライヴと言われるステージを見せないといけないなと思っています(岡野)

――あらためて東京ドームに来られるお客さんに向けての意気込みをお願いします。

新藤:普通にアマチュアバンドでやってきて、次はどこの会場でライヴをやるの?っていう話になると、“心斎橋ミューズホールでやるよ”とか“心斎橋クラブクアトロやるよ”って口に出して言うのが気持ちいいんですけど、そういう流れで“次はドームでやるよ”って言うと、すごく口が気持ちいいんです(笑)。たくさんの人に聴いてもらいたくてやってきたし、そういう気持ちのひとつの達成ですから。そんなことを胸にステージに立てたらと思います。デビューの時から今まで、しっかりステージで頑張ってかっこつけようと思ってきたので、ポルノは変えるべきものじゃないところは変えずにやって来た、その姿をファンの人たちに見てほしいです。

岡野:気負ってないと言いましたけど、よく考えてみると、こんなに早くからセットリストを考えてることって今までなかったんですよ。ということは、どこかで僕らもドーム2日間、ヤバいぞって思っていたんですね(笑)。早めに準備してやっておくと気楽にできるということが20年で分かった。それだけ大きい会場でやることって大変なんですね。最大限、準備を練る時間はたっぷりあるので、今までで最高のライヴと言われるステージを見せないといけないなと思っていますね。準備がしっかりできていれば、楽しい2日間になると思います。せっかくの2日間だし、ドーム公演を発表したらファンの方もすごく喜んでくれたので、その気持ちにこたえられるように頑張りたいです。

――このドームライヴで新曲が登場することもあるんでしょうか?

新藤:何らかの新曲はやります。最新曲をやりたい気持ちはいつもあって、多くのライヴは最新曲をどう見せるかを考えていますから。

岡野:ここで初披露の曲をね。

取材:岡本 明

【ライヴ情報】

『20th Anniversary Special LIVE “NIPPONロマンスポルノ‘19〜神vs神〜”』

日程:9月07日(土)、9月08日(日)

時間:開場14:30 / 開演16:30 / 終演19:30(予定)

会場:東京・東京ドーム

<チケット料金(座席指定券引換券)>

指定席¥8,640(税込)

2日通し券¥16,000(税込)

※4歳以上チケット必要(0~3歳児はご入場頂けません)

※演出・ステージ及び出演者が見えづらい可能性のあるお席が一部含まれます。予めご了承の上、お買い求めください。

◎一般発売日

7月27日(土)10:00〜

◎9月07日(土)公演チケット情報

http://bit.ly/2K2aDBQ

◎9月08日(日)公演チケット情報

http://bit.ly/2XuPlQo

■ツアー特設サイト

http://sp.pornograffitti.jp/thankyou-20th/

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