4月1日に新元号“令和”が発表され、いよいよ平成も残り1カ月を切りました。3回目となった平成のMV特集、今回は平成21年~31年までを象徴する5作をご紹介します。まだ最近ではありますが、この機会にぜひチェックを!
■「Gee」(’12)/少女時代
現在もTWICEなど大人気の女性K-POPグループがたくさん登場しているが、このブームの先陣を切ったのは2010年に日本デビューした少女時代とKARA。中でも少女時代の大ヒット曲「Gee」のMVは、公開当時に衣装のカラフルなスキニージーンズが人気となったり、2018年に韓国版の再生回数が2億回を突破したことも記憶に新しい。集団性を活かした真似したくなるダンス、キャッチーで覚えやすいフレーズなど、時が経った今だからこそ、彼女たちが日本に与えた影響を見つけられるはず!
■「かわE」(’18) /ヤバイTシャツ屋さん
サビにある《君はかわE 越して かわF やんけ!》の言葉遊びが音楽番組『関ジャム』で取り上げられて話題に! MVは男性がフラッシュモブで好きな女性に告白をするというシチュエーション。ニューヨーク発祥とされるフラッシュモブは平成後期から徐々に日本でも広がったサプライズだが、派手にやれば成功するというものでもなく、このMVでも告白された女性はずっとドン引き…。その場のノリだけでしのげないのは日本人っぽさもあるなと思いつつ、《アルファベットを使った古典的な表現で挑む 最後の平成》などテロップで出てくる歌詞にも注目するとさらに楽しい!
■「ヘビーローテーション」(’10) /AKB48
2005年のメジャーデビューから常にアイドルシーンの中心にいるAKB48の「ヘビーローテーション」は2010年の流行歌に選ばれ、同時に“AKB48”が流行語となるなど盛り上がりを見せた。写真家で映画監督の蜷川実花がMVを手掛け、衣装はランジェリー。“男性がいない更衣室ではしゃいだ時”を思い出して制作されただけに、メンバーの無邪気な表情が観られるのもポイント! ちょうどこの時期は女子会ブームが到来していたこともあり、華やかで親密な空間はトレンドを抑えていたようにも思える。
■「ファントムヴァイブレーション」 (’13)/キュウソネコカミ
平成後期に登場したスマートフォンを題材に、便利すぎるがゆえに依存していく人々を面白可笑しく描いたMVは、まさにこの時代を描いた傑作だと思う。軽快なサウンドに乗せて丁寧にスマホ依存の説明から入る楽曲もツボだが、携帯会社のCMをオマージュしたシーンは何度観てもお見事! “お風呂の間も気になる”“充電がなくなってコンセントの場所を探す”などは“あるある”であり、異常な現実に笑ってないで真剣に観たほうがいいのではないかと悟ったりもする。これ以上依存が進みませんようにと祈るばかり…。
■「令和」(’19)/ゴールデンボンバー
新年号発表の当日に新曲「令和」を完成させ、MVまで公開するという間違いなくこの日一番アクティブな動きをしていたゴールデンボンバー。改めて人を楽しませるプロでもあることを世間に印象付けた。そのMVは令和の幕開けであり、平成を締め括るにも相応しい完成度。サビのキャッチーな振り付けや、癖になる“ちょいダサ”な仕上がり、そしてリアルタイムでMVを作成すること自体も現代の拡散力を上手く使った例であるし、平成で生まれたヒット曲の特徴を詰め込んでいる彼らの発想にあっぱれ! 平成が“ひと昔前”になった時、きっとこのMVを多くの人が思い出すのだろう。
TEXT:千々和香苗
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