Music Information

けやき坂46、BiSH、サイダーガールなどの青春を描くMVをピックアップ

夏真っ盛り! 今回は夏休みの足音を感じながら、それぞれの青春のひと時を収めたMVをご紹介します。今まさに青春の真っ只中にいる人も、かつて青春を心ゆくまで堪能した人も、憧れだったり懐かしさを抱えながら、今夏をより甘酸っぱく彩ってみませんか?

■「オーケストラ」(‘16)/BiSH

女子校を舞台に、ふたりの女の子の切ない青春時代を描いたMV。放課後にふたりきりで過ごしたり教室で視線を合わす場面など、想い合う彼女たちのじれったいシーンから一転、ある日を境にその関係が終わりを迎えてしまうラストには胸を締め付けられずにはいられない。BiSHのパフォーマンスシーンは黒っぽいセットで、MVのメインになっている女子校の白っぽい情景をより際立たせ、コントラストを生んでいる。“リンリンはずっと死んでいる”というストーリーが込められたダンスにも注目だ。あなたにも友達の中に気になる特別な存在がいませんでしたか?

■「僕たちは付き合っている」(‘17) /けやき坂46

欅坂46の妹分である通称“ひらがなけやき”。校則の厳しい学校で、メンバーが職員室前の廊下に整列させられている場面からMVがスタート。先生に話しかけられても一度も会話をしない無表情さからは大人に心を閉ざしたティーンエイジャーの心情が感じられる。生徒だけになった放課後の教室では廊下にいた時より明るく朗らかだが、恋愛が原因で少し影が入っている様子…。通用口の鍵を盗んで夜中の学校に忍び込んだメンバーたちがどんなストーリーを組み立てて行くのか? 全体像が気になるこのMVのフルバージョンは、欅坂46の4thシングル「不協和音」のType-DのDVDに収録されているので、こちらをチェック!

■「33歳の夏休み」(‘18) /神聖かまってちゃん

「22才の夏休み」「23才の夏休み」「26才の夏休み」に続くこの楽曲のMVは、バンド結成10周年を迎える2018年に公開。「23才の夏休み」のリリース当時に生放送で披露した際、の子(Vo&Gu)がまったく歌わなかった騒動を知っている人は、時々映るナルトに思わずニヤリとするだろう。いじめに遭い、学校で孤立している主人公が帰り道に拾ったMDウォークマンから流れる「33歳の夏休み」を聴き、演奏シーンでの子が落としたサングラスを拾ったりと次第にふたつの物語がシンクロしていくのは、主人公の理解者が神聖かまってちゃんの音楽であることを表現しているのかもしれない。誰かと共有することのない自分の中で熱く残る青春も美しいと思わせてくれるMVだ。

■「約束」(‘18)/サイダーガール

青春を表すには絶対に外せない学校のプールを取り入れたMVは、『2018年度サイダーガール』に就任した杉本愛里がMVの主人公となって登場。5人の男女が薄く水を張ったプールの中でホースで水を撒いたりアイスを食べたりするキラキラした青春シーンに、思わず頭を抱えてしまう方もいるのではないだろうか。MVは楽しそうだけど、そういえばプール掃除って結構大変だったよなとさまざまな思い出が連想される。このまま清涼飲料水のCMが撮れてしまうのでは…というくらい爽快感と清々しさに満ちた映像で、ラストの杉本が想いを寄せる男子高生に気持ちを叫ぶ甘酸っぱい恋を描いた場面も観どころのひとつ。

■「涙」(‘17)/KANA-BOON

ドラマ『あなたには帰る家がある』で注目された俳優の荻原利久が、映画『ミスミソウ』で初主演を務めた山田杏奈と過ごした時間を写真で切り抜いていく。ふたりは恋人役を演じて浅草寺や花屋敷など、真夏の浅草を歩き回る山田の姿や時に色気のある表情をカメラ目線で追いかける。よく見てみると、写真の日付はMV公開より2年前の2015年。今までのデートシーンが全て過去の出来事だったことがうかがえる。現代の場面ではバンドマンとしてステージに立つ荻原の姿が描かれ、楽屋でタバコを吸うシーンがあるが、写真の中の山田もお菓子でタバコを吸う仕草をしていることが切ない…。そんな過ぎ去った青春を“涙”というひと文字に込めたKANA-BOONのセンスが堪能できる。

TEXT:辻 瞼

【関連リンク】
けやき坂46、BiSH、サイダーガールなどの青春を描くMVをピックアップ
けやき坂46まとめ
BiSHまとめ
サイダーガールまとめ
indigo la End、アルバム『PULSATE』よりワンカットで撮影した「蒼糸」MV公開