ショートムービープラットフォーム、TikTok(ティックトック)で、オリジナル曲を公開してからわずか数カ月。シンガーソングライターの“ひらめ”は、すでにストリーミングチャートの上位にいる。 2020年6月に投稿された自身のオリジナル曲「ポケットからきゅんです!」が大ブレイクしたひらめだが、自身はこの状況をどう受け止めているのか。率直な感想を訊いた。
■“こんなにたくさんの人が 聴いてくれてるんだ” って驚きと喜びがあります
──TikTok発のシンガーは増えていますが、投稿してからストリーミングチャート1位を獲得するまで、あっと言う間でしたね。
ひらめ
「そうですね。最初は自粛期間に興味本位で投稿をしていたんです。はじめてすぐは15秒のコメントシリーズという動画を投稿していました。4月は毎日その投稿をしていましたね。」
──朝の情報番組『めざましテレビ』(フジテレビ系)にも取り上げられてましたが、率直にこの状況をどう感じていますか?
ひらめ
「『めざましテレビ』に取り上げられるなんて想像して無かったので、ただただ驚きですね。こんなに知ってもらえると思ってなかったので、自分が一番ビックリしていますし、見つけてもらえたのは嬉しいです。」
──TikTokというプラットフォームの凄さを感じずにはいられませんが、ひらめさん自身はバズって有名になりたいっていう気持ちはあった?
ひらめ
「もともと有名になりたいというよりは、趣味の延長だったんです。けど、それがTikTokをはじめて投稿するようになってから、TikTokのユーザーだけでなくもっといろんな人に知ってもらいたいと思うようになりましたね。」
──あらゆる可能性を秘めたプラットフォームですよね。
ひらめ
「TikTokはチャレンジしたいことがあれば、やるべきだと思います。本当に何がバズるかわからないから、いろんなものを投稿したら良いと思うし、バズらなかったら消せば良いので。自分を発見してもらえるチャンスだと思いました。」
──いまやディーン・フジオカ、NiziU、TWICEのメンバーも動画投稿で「ポケットからきゅんです!」を使って投稿していますが、ご自身ではここまで広がるとはやっぱり思っていなかった?
ひらめ
「そうですね。動画がバズって「ポケットからきゅんです!」のフルバージョンをL I N E MUSICで先行して配信するってなった時も、まさかTOP10入りするとは思ってませんでした。トップには入りたかったんですけど、難しいだろうなって気持ちも大きくて。でも、結果的に1位も獲れたので、“こんなにたくさんの人が聴いてくれてるんだ”って驚きと喜びがあります。人気クリエイターの方々が使ってくれたお陰かなと思いますね。」
──もともと、ひらめさんはどんな音楽を聴いていたんですか?
ひらめ
「わたしは井上苑子さんの「大切な君へ」や「だいすき。」が好きで音楽をはじめたいと思って。ギターをはじめたのも井上苑子さんの影響だったんです。聴いて可愛いなって思いました。可愛い曲がもともと好きで、TikTokに投稿している曲も自分の好きな可愛らしい曲をあげています。」
──可愛らしい曲、良いですよね。
ひらめ
「そうですね。音楽はTikTokで聴いたり発見するんですけど、HoneyWorksさんも可愛らしい曲が多いので好きで聴いてます。」
■女の子に共感してもらえる曲を 今後も投稿していきたい
──ひらめさんの曲は恋愛で感じるもどかしい距離感、手が届きそうで届かない切ない片想い目線をうまく拾い上げて代弁してくれる感じがして、どの曲も共感率がすごく高いのが印象的でした。作詞はどのようにされているんですか?
ひらめ
「歌詞は実体験でもないし、少女漫画を見たりアニメを見たりするわけでもないんですよ。テーマを決めてから想像して作るってことが多くて、「ショートヘア」は“好きな人のために髪型を変える女の子”をテーマで作りました。ストーリー性のある曲を作るのが好きで、ぜんぶ想像で歌詞を書いていて、あまり他のアーティストに影響されることもないですね。」
──そうだったんですね。リアルなので実体験も入っているのかな?って想像していました。共感性っていうのはTikTok発のアーティストの共通項としてあるような気もあります。
ひらめ
「そうですね。中高生の女の子のファンが“共感しました”ってダイレクトメッセージを送ってくれるのはやっぱりモチベーションに繋がります。女の子に共感してもらえる曲を今後も投稿していきたいと思っています。」
──TikTokに投稿しているコメントシリーズは、投稿についたコメントを歌詞にして歌うスタイルの動画で、すごく斬新で面白いなと思いました。コメントシリーズをはじめた経緯も教えていただけますか?
ひらめ
「TikTokの初投稿が3月15日で、その最初の投稿についたコメントを自身で歌にしました。歩いてる時に思い浮かんだんですけど、一度投稿してからは、コメントシリーズの歌詞に使われるのをわかってみんなが送ってくれるので、わりとテーマに合ったコメントがもらえています。リレー形式でシリーズとしてもだいぶ投稿が増えました。」
──このアイデアはいつ生まれたんですか?
ひらめ
「「ポケットからキュンです!」も本当にふとした瞬間にパッと出てきた言葉なんですけど、コメントシリーズも同じでしたね。TikTokをはじめてからは特に考えたりせずに直感的に日常の中でアイデアは思いつきます。歩いてたり、それこそご飯を食べてる時に思い浮かぶので、すぐに携帯にメモったりしてますね。」
──先日はTikTok発の若手シンガーが集結した『TikTok Sessions vol.1』にも出演し、ひらめ初のライブも経験しましたね。
ひらめ
「シンガー・ひらめとしてのライブは初めてだったので、めちゃ緊張しました。でも、1曲目を歌ってからは緊張が解けて良かったです。」
──緊張してる感じは伝わってこなかったけど(笑)。
ひらめ
「本当ですか!? ありがとうございます。ライブ中はコメントとかは見れなかったけど、インスタのダイレクトメッセージでライブ写真を集めたスクショの写真を送ってくれたり反響は良かったですね。」
──まだ活動をはじめたばかりですが、今後はどんなアーティストになりたいですか?
ひらめ
「投稿を通してもっといろんな女の子の方に共感してもらえるような曲を作っていける人になりたいですね。女性目線を歌うアーティストとして、ひらめを知っていただけたらなって思います。」
photo by 石丸敦章
text by 後藤千尋
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