昨年11月から行なってきたフレンズのワンマンツアー『シチュエーション・コメディーseason4』。そのファイナルとなるLINE CUBE SHIBUYA公演が1月12日に開催された。
花や植物で彩られたかわいらしいセットへ、これまたカラフルな柄モノの衣装を身に纏ったメンバーが登場。観客も立ち上がって手拍子で迎え、“ツアーファイナル、始まるよー!”というえみそん(Vo)の挨拶を皮切りに、ライヴは「take a chance」でスタートした。
オープンなムードを振りまく一方で、地に足のついた感じもあるパフォーマンスからは、これまで精力的にライヴを積み重ねてきたゆえの自信が窺え、「NO BITTER LIFE」になれば、ひろせひろせ(MC&Key)と三浦太郎(Gu)もステージ前方にせり出し、《Yeah!》のコール&レスポンスで一体感はグングン増していく。さらに、テレビ東京系ドラマ『きのう何食べた?』のエンディングテーマ「iをyou」を軽やかに披露。長島涼平(Ba)らメンバーのジャンプするアクションに合わせて、オーディエンスも気持ち良く身体を揺らしている。
“朗報がございまして。本日のセットリスト、神セトリになっております!”とひろせがソールドアウトの会場を抜かりなく沸かせ、えみそんも“私は必須アミノ酸を全部言えるんですよ、(自分で)歌を作って覚えたから。リジンを摂るには卵を食べてください”などとマイペースなMCを突如かましたり、ホール公演でもライヴハウスと変わらぬ距離感なのがフレンズらしい。“みんなで踊ろう”と呼びかけた80’Sっぽいノリの「Nothing」、青白く落ち着いた照明の下で切なく届けた初めて男性目線で書いたというウィンターバラード「12月のブルー」、雰囲気をガラッと変えて関口塁(Dr)と三浦も甘いイケボを聴かせた「0:25」と、2ndプチアルバム『HEARTS GIRL』のナンバーも揺るぎない魅力を放つ。
そして、中盤は観客を席に座らせ、ワンマンならではのスペシャルなアコースティックゾーンへ。えみそんが“ようこそ、フレンズんちへ”と題し、まずはアットホームなトークが始まる。“2020年にメンバーが会ってほしい人”を唐突に発表する流れとなり、三浦はワクワクさん(激似だから一緒に工作してほしい)、ひろせは彦摩呂(“彦とひろ”で食レポしてほしい)、関口はフレンズのイラストを手がけるアディム(油絵を共作してさらに仲を深めてほしい)、サポートキーボーディストの山本健太は石原さとみ(美女の考えたプランでデートしてほしい)、えみそんははしのえみ(『王様のブランチ」で“えみ旅”してほしい)、長島は中居正広(どことなく雰囲気が似ているから)がそれぞれ指名され、会場は何度も爆笑で包まれる大盛り上がり。和やかなトークのあと、三浦がアコギ、長島がアップライトベース、関口がカホンを演奏する形で、「NIGHT TOWN」「夜明けのメモリー」「またねFOREVER」と、定評のある夜ソングをほんのりムーディーに、しっとりロマンティックに届けた。
続くMCでは、1年前の新春ワンマン『グランパーティー!』、6月に行なったメンバーの地元を巡る『青春チャレンジツアー』、9月にリリースしたプチアルバム『HEARTS GIRL』、そして11月に始まった本ツアーなど、2019年のいろいろな活動を振り返りつつ、“楽しくて全部が一瞬だった”(えみそん)、“本当にバンドが強くなりました。フレンズは今年で5周年。みんなが来てくれるおかげで続けられてます。ありがとうございます!”(ひろせ)と改めてファンに感謝を告げ、ライヴは後半に突入。えみそんの“渋谷、ゲットだぜ!”という謎コールを合図に、座席から観客を“オー!”とスタンドアップさせ、とびきりハッピーな「楽しもう」へと勢いよく滑り込んだ。
えみそんとひろせのラップの掛け合いも冴えるラブリーなポップチューン「HEARTS GIRL」で、場内の熱気はグッとヒートアップ! 「塩と砂糖」のダンサブルなビートに乗ってバンドもますます前のめりになって、「Love,ya!」ではひろせが《ハチ公口》、えみそんが《LINE CUBEで待ってて》とリズミカルに歌い替えながら、得意のファンキーなノリで畳みかけ、やさしくて力強いメロディーをチャーミングに聴かせていく。メンバーみんなで楽しそうに歌って演奏して、音楽そのものの喜びを伝えるような、観ている側が自然と笑顔になるような、多幸感に満ちたパフォーマンスは素晴らしく、この1年の歩みが見事に反映されていたと思う。
“フレンズを結成したときの目標が東京ドームでワンマンライヴをすることなんですけど、このツアーをやればやるほど絶対にやりたいな、それでみんなが喜んでくれたら嬉しいなって気持ちになりました”とひろせが満員のお客さんに強く誓い、フレンドリーなムードに包まれたまま、ノスタルジックで心地良い「地球を越えても」で本編は大盛況のうちに終了。
アンコールも「パーティーしよう!」「夜にダンス」と、メンバー全員がすこぶる躍動し、踊り足りないオーディエンスを歓喜させたフレンズ。“2カ月いろんなところを回って、どんな反応してくれるかなってドキドキしながらやってきたんですけど、今日ファイナルを迎えられて本当に幸せです。来てくれてありがとうございます。ウチらとウチらはズッ友だよ!みたいな感じで5周年もみんなといっしょに楽しいことをしていきたいから、これからもよろしくね”とえみそんが伝え、ミラーボールがキラキラと輝く中、バンドが始まるきっかけとなった大切な曲「ベッドサイドミュージック」でツアーを感慨深く締めた。
2020年に結成5周年を迎えるフレンズは、先駆けてアニバーサリーを祝う東名阪ワンマンツアー『クゥインクゥエニィアルクィンテットツアー』の開催を新たに発表。ひろせ曰く“これを幕開けに5周年を突っ走りたいと思ってます。まだまだ期待しててください!”とのことなので、今年はよりバンドの動きから目が離せなくなりそうだ。詳細は5周年特設サイト(https://www.friends-jpn-5th.com/)でぜひチェックを。
撮影:TAKAHIRO TAKINAMI/取材:田山雄士
【セットリスト】
01.take a chance
02.NO BITTER LIFE
03.iをyou
04.DIVER
05.とけないよ
06.Nothing
07.12月のブルー
08.0:25
09.NIGHT TOWN
10.夜明けのメモリー
11.またねFOREVER
12.楽しもう
13.HEARTS GIRL
14.塩と砂糖
15.Love,ya!
16.地球を越えても
<ENCORE>
01.パーティーしよう!
02.夜にダンス
03.ベッドサイドミュージック
【ライヴ情報】
『クゥインクゥエニィアルクィンテットツアー』
5月28日(木) 愛知・名古屋 ボトムライン
5月29日(金) 大阪・梅田バナナホール
6月05日(金) 東京・TOKYO DOME CITY HALL (※)
(※)チケット情報ページ:http://bit.ly/2RzF57I
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