まだ梅雨も明けてないけど、夏フェスシーズン本格到来! つうことで、6月22日(土)と23日(日)に神奈川県・川崎市東扇島東公園にて行なわれたSiM主催『DEAD POP FESTiVAL 2019』に参戦してきた僕。今回は『DPF』に出演していた中から個人的に印象に残った5バンドやアクトを紹介しつつ、フェスについてちょっとだけ考察しちゃいます。
■「One for you」(’18) /INNOSENT in FORMAL
CHAOSステージの出演権を賭けたオーディションを勝ち抜いて、初日オープニングアクトとして登場した4人組ミクスチャーバンド。“アニメーション映画から飛び出した”というコンセプトで、ビジュアルも晒していない謎だらけのバンドですが、高いラップスキルとさまざまな音楽を貪欲に取り入れた楽曲の面白さ、良い意味で力の抜けたライブパフォーマンス…等身大のメッセージで、初めて観るお客さんもいつも遊んでる仲間みたいに巻き込んで大盛り上がり! ラストに披露した「One for you」では真っ直ぐなメッセージを届け、熱く楽しいライヴを観せてくれました。カッコ良かった! この日観るまで名前も知らなかったけど、僕の胸にその存在がしっかり刻まれました。こういう出会いがあるからフェスは面白い!
■「Laugh at life」(’14) /HOTSQUALL
地元・千葉で自身主催の『ONION ROCK FESTIVAL』を開催しているHOTSQUALL。5月に行なわれた今年の同フェスでは結成20周年を記念して、2日目にワンマンを敢行。ワンマンを観に行った時にMCで語ってた、「今日はバンド解散した仲間や辞めちゃった仲間もたくさん来てる。俺たちはその気持ちを受け継いで、こうして夢を叶えていくから」って話にグッと来てしまって。《人生を笑え!》と歌う「Laugh at life」が染みて仕方なかった。そして、この日もラストでこの曲を歌っていた。どんなに自分が好きなことがやれてたって、人生にしんどいことや辛いことはたくさんあるから。そんな時こそロック聴いて嫌なこと忘れて、笑ろとけ笑ろとけ!
■「明日も」(’17)/SHISHAMO
今やすっかり国民的人気者になった、川崎出身の3人組ガールズバンド。『DPF』の並びにいると少し異色に感じるも“壁を壊す”“地元のバンドの目標となるフェス”という本イベントのコンセプトにもぴったり! 「SiM先輩を尊敬してるし、川崎のバンドとしてもどうしても出たいと思って直接お願いしました」と出演の経緯を語ってましたが、“音楽を通じて地元を盛り上げる”という共通の想いはきっと大きな力になるし、地元のバンドに必ず良い影響を与えるはず。SHISHAMOのステージは満員のフィールドを沸かせ、「明日も」に観客が歌声と手拍子を合わせると、さっきまで雨が降っていた曇り空に光が射すというフェスならではの自然の奇跡、ゴッドアングルまで見せて驚かせてくれました!
■「monolith」(’17) /04 Limited Sazabys
地元・名古屋で自身主催の『YON FES』を開催しているフォーリミ。MCでGEN(Vo&Ba)が「たくさんのフェスに出してもらってるけど、バンド主催のフェスは特別」みたいな話をしていて、そうだよなと納得。「言うことも歌ってることもやることも尊敬してる」と語るSiM主催のフェスを思い切り盛り上げて恩返したいし、カッコ良いところ観せたいし、負けたくないって気持ちもあるはず。この日もとびきり気合いの入ったライヴを観せてくれたし、ライヴ定番曲「monolith」も最高の盛り上がりでした。フォーリミで育った世代が、新しいフェスを生む日が来るかも?
■「KiLLiNG ME」(‘11)/SiM
そして、このフェスの主宰者であるSiMは両日ともに大トリで登場! ライヴハウスから始まった『DEAD POP FESTiVAL』も今年で10年、野外フェス形式になって5年。演者、観客とともに紡いできた歴史や物語、信頼や自信や覚悟や誇りといった、あらゆるものを背負って大トリの舞台に登場したSiMは貫禄さえ感じるほど逞しく堂々としており、そのステージは圧巻のひと言。激しいだけじゃないSiMの魅力を届け、暴れるだけじゃないフェスの楽しみ方を教えてくれた。代表曲と言えるこの曲は会場中の心をつなぎ、ひとつのクライマックスを生み出していました。
TEXT:フジジュン
フジジュン プロフィール:1975年、長野県生まれ。『イカ天』の影響でロックに目覚めて、雑誌『宝島』を教科書に育った、ロックとお笑い好きのおもしろライター。オリコン株式会社や『インディーズマガジン』を経て、00年よりライター、編集者、デザイナー、ラジオDJ、漫画原作者として活動。12年に(株)FUJIJUN WORKSを立ち上げ、バカ社長(クレイジーSKB公認)に就任。メジャー、インディーズ問わず、邦楽ロックが得意分野だが、EBiDANなど若い男の子も大好き。笑いやバカの要素を含むバンドは大好物。
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