2019年5月に新年号になるまであと2カ月半。前回は第一弾として平成元年~10年をMVで振り返りましたが、今回は平成11年~20年にフォーカス! 日韓ワールドカップやお笑いブーム、思い出したくないダサアイテムまで掘り起こします。
■アムラーやストリートファッションなど平成初期のブームを安室奈美恵、PUFFYなどのMVで振り返る
https://okmusic.jp/news/313112
■「だがそれでいい」(’17) /Creepy Nuts(R-指定&DJ 松永)
1MC1DJのヒップホップユニット、Creepy Nutsのメジャーデビューシングル「高校デビュー、大学デビュー、全部失敗したけどメジャーデビュー。」に収録されている同曲。そのMVは、メンバーのふたりが映像演出を手掛け“黒歴史”を90連発! 平成初期や最近流行ったハンドスピナーなども含むが、プリクラ帳、M字バング、前略プロフィールなど、平成中期に学生の中でブームになったものがぎっしり。本人たちの衣装も裏地チェックズボン、前髪にヘアピンと、どれもこれも“うわぁ”と声が出るほどの痛恥ずかしさだが、“あれがあったから今の自分があるんだ”と喝を入れる楽曲が次第に心に響いてくる。懐かしさと恥ずかしさが紙一重になる一本。
■「踊れ引きこもり」(’18) /忘れらんねえよ
やりたいことが見つからずに引きこもっている自分を《この想いいつかカネになる!カネになる! カネにしろ!カネにしろ!》と鼓舞する情熱的な楽曲のMVには、2003年より日本テレビで放送されたお笑いネタ番組『エンタの神様』に出演していたテツ&トモ、波田陽区、レイザーラモンHGらに似た人物が! “ヒット作も俺らみたいな奴が作ってる”と歌う歌詞の通り、当時のお笑いブームの中心にいた芸人たちも劣等感や悔しい気持ちを糧にネタを作り、視聴者を笑わせてくれていたはず。平成は“引きこもり”というワードが浸透した時代でもあるが、“まだまだお前は行けるんだぞ”という強いメッセージも感じる。
■「ハッピーサマーウェディング」(’00) /モーニング娘。
リリースから20年近く経とうとする今でも、結婚式と言えばこの楽曲! 結婚式を控える花嫁の両親への感謝気持ちが歌われていて、ミリオンセラーも記録した。特にMVにもあるアラビアンテイストの衣装とダンスは、友人が余興で再現してサプライズ披露される場面もしばしばあり、練習のために何度もMVを観た人もいるのでは? 衣装はアラビアンの他にも2種類のワンピースがあり、タイトル“サマー”の部分を意識した色使いも楽しめる。衣装やダンスを真似しやすい部分だけでなく、“ハイハイ”の掛け声や、台詞パートを実際の新郎に当てはめたりとアレンジも楽しく盛り上がる楽曲だけに、平成を過ぎても結婚式に欠かせない楽曲であり続けるだろう。
■「もっと…」(’09)/西野カナ
平成中期と言えば、メールやカメラなどの機能が付いたことで、携帯電話が必需品としてより身近なものに。音楽でも着うたが始まったり、歌詞に“メール”や“携帯”というワードが使われることも多くなった。中でもこの曲では《絵文字1つもない そっけない返事》と切ない気持ちを表したり、MVでは恋人との別れ際から連絡を気にする場面や、携帯を握り締めながら不安でたまらない気持ちを歌うシーンがあることから、携帯電話が会えない時の心の拠り所だったことが分かる。他にも「私たち」のMVは西野がひたすら長電話をするカットで構成されるなど、特に若者が気持ちを伝え合うツールとして重宝していたことの象徴だろう。
■「FANTASISTA」(’02)/Dragon Ash
真赤な東京タワーもサムライブルーに染まったり、国全体で大盛況を見せた2002年の日韓ワールドカップ。そのテーマソングとなったのが「FANTASISTA」で、日本のミクスチャーロック文化がお茶の間に浸透するきっかけにもなった。MVはサッカーのピッチを意識した緑色の地面と、メンバーを囲うように観客を入れたスタジアムのようなセットで制作。メンバーもジャージ姿で、選手入場のように背中を映したカットもポイント! 当時の熱気が蘇るような躍動感たっぷりの演奏シーンが印象的だが、よく観ると途中のパフォーマーによるシーンで使用されているサッカーボールも当時の公式球。17年が経つ今でも“ワールドカップ”と聞いてこの曲やMVを思い出す人も多い、根強いインパクトを与えた作品だ。
TEXT:千々和香苗
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