公演当日の9月24日は天気雨(狐の嫁入り)が降り、さらには中秋の名月という、この上ない日に恵比寿LIQUIDROOMで開催された“浅葱”単独公演『斑~白面金毛九尾の狐火玉編~』。かねてより電子絵巻物として告知動画が公開されていた新曲「妖狐の嫁入り」を携え、浅葱の新衣装初披露、そして豪華なサポートミュージシャンを迎えて繰り広げられたこの公演は、琴の音色が鳴り響く雅なSEとともに幕を開けた。
1曲目は先述の「妖狐の嫁入り」。妖しくも美しい九尾の狐の物語は、集まった観客達を一気に引き込み、さらに扇子を使った振り付けでライブという空間に彩りを添えて盛り上がる。静と動、九拍子という変拍子且つBPM99で展開されるこの楽曲は、九尾の狐=浅葱の変幻自在の妖艶な歌唱や狂気に満ちた笑い声などが強烈なインパクトを与え、妖狐現ると言わんばかりに吹き出した煙とともに会場の熱が上昇した。
そしてそこからはメジャーファーストフルアルバム『斑』の収録曲を息つく間もなく展開。MV作品にもなっている「月界の御子」をはじめ、「陰桜(おぬざくら)」までアルバム曲順と同様に進んでいき、『斑』ツアーファイナルから約半年ぶりに披露される楽曲がステージから気迫と緊張感をもって届ける。観客達は拳や声を上げてそれに応えていく。
ステージには灯籠や篝火、傘や紅葉、のぼりもセットとして組んであり、後方に映し出される各楽曲のイメージ映像とともに浅葱の描く世界観を引き立たせているが、何よりも浅葱による歌の表現と説得力、古語を使い拘った歌詞、そして楽曲が持つ力で観客をより深く魅き込んでいく様は圧巻だ。
そしてステージにはGu. HIRO(La’cryma Christi / Creature Creature)、Gu. you(Janne Da Arc)、Ba. 燿(摩天楼オペラ)、 Dr. 淳士(BULL ZEICHEN 88 / 戦国時代-The age of civil wars- / ex. SIAM SHADE)という豪華なサポートミュージシャンが布陣を固め、楽曲を最大限に表現すべく熱量のある音を放っていく。
「白面金毛九尾の狐火玉」では再び会場中に扇子が舞い、軽快なリズムに乗せ“こうこうこう”と扇子を手にした浅葱が煽る。公演タイトルから分かるように、今回は九尾の狐をテーマにおきつつ『斑』から「妖狐の嫁入り」という新たな物語へ発展した、いわば特別編のライブ。浅葱の装いはもちろん、振る舞いや身のこなしはまさに狐の妖(あやかし)そのものだ。
のびやかに、しっとりと歌い上げた「冬椿 ~白妙の化人~」のあとは「鬼眼羅(きめら)」で観客と演者が激しく感情をぶつけ合う。浅葱の鬼気迫る歌と様相、そして重厚な音と疾走感が観客を煽り、曲間ではメンバー紹介を挟みつつ、楽器陣それぞれが卓越した技巧を披露してその存在感をさらに見せつけていた。この曲間で特別ゲストがステージ上に呼び込まれたのだが、そこで現れたのはなんとDのGu. Ruiza、Gu. HIDE-ZOU、Ba. Tsunehito、Dr. HIROKI。予想だにしなかったこのサプライズに観客は声援を上げ、これでステージ上に揃った人数は合計9人。九尾の狐、狐の鳴き声にちなんで“9”という数字に拘って迎えた本公演ならではとも言える演出に、会場中が笑顔に溢れたのだった。(先述した「妖狐の嫁入り」電子絵巻物は9月9日9時に公開され、楽曲試聴は99秒、このメンバー紹介部分の煽り回数は合計9回…というところからも、世界観構築における浅葱の一貫性、徹底ぶりが伺えるだろう)
ライブ終盤に差し掛かり、『斑』ツアーでは各地の妖怪を退治してきたという話も記憶に新しい「物の怪草子」を披露したあと、最終演目となる「アサギマダラ」を全身全霊で歌い上げた浅葱。浅葱というアーティスト・ミュージシャンの想いを強く込めた同曲を含め、この日に披露したのは全15曲。和の世界観という言葉だけでは納まり切らないほど濃厚なライブは、浅葱の“2019年1月13日、品川インターシティーホールでまた会いましょう”のひと言で幕を閉じた。
“浅葱” 新春特別企画、二部制単独公演として開催される次回公演『浅葱” 新春特別企画 二部制単独公演』では、また新たな物語が展開されることだろう。ぜひ足を運んで、唯一無二の世界観を堪能してほしい。
【セットリスト】
1. 妖狐の嫁入り
2. 天地(あめつち)行き来る小船
3. 月界の御子
4. 畏き海へ帰りゃんせ
5. 花雲の乱
6. 隠桜(おぬざくら)
ーMCー
7. 白面金毛九尾の狐火玉
8. 螢火
9. 大豺嶽(おおやまいぬだけ)~月夜(つくよ)に吠ゆ~
10. 冬椿 ~白妙の化人~
11. 鬼眼羅(きめら)
12. 雲の通ひ路
13. 妖刀玉兎
14. 物の怪草子
ーMCー
15. アサギマダラ
『浅葱” 新春特別企画 二部制単独公演』
【2019年】
1月13日(日) 東京・品川インターシティホール
■昼の部『斑 ~和菓子・うさぎや編~』13:15 / 14:00
小規模非電子的演奏会 & 御子様による世を偲ぶ仮の姿での和菓子贈呈
■夜の部『斑 ~物の怪草子編~』18:15 / 19:00
御子様による妖怪退治(物の怪草子)衣装での演奏会
<特典会>
昼の部、夜の部共に終演後物販購入者対象特典会(チェキ & 握手会)有り
※詳細近日発表
<サポートメンバー>
Gu:HIRO (La’cryma Christi / Creature Creature)
Gu:you (Janne Da Arc)
Ba:人時 (黒夢 / Creature Creature)
Dr:Sakura-櫻澤泰徳 (gibkiy gibkiy gibkiy / Rayflower / THE MADCAP LAUGHS / ZIGZO)
<チケット>
昼の部 ¥3,530(税込/D代別)
夜の部 ¥5,370(税込/D代別)
二部通し券 ¥8,888(税込/D代別)
※全席指定 3歳以上チケット必要
■ファンクラブUltimate lover会員先行
※2018年10月05日(金)時点でD official Fan club「Ultimate lover」に入会されている方対象
※お1人様4枚までお申込可
受付期間:10月16日(火)12:00~10月25日(木)23:59
■オフィシャルHP先行
11月01日(木)12:00~11月11日(日)23:59
※枚数制限:お1人様4枚までお申込可
■一般発売日:11月24日(土)~
※3歳以上チケット必要
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