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舞台は東京! 『RED BULL MUSIC FESTIVAL』出演アーティスト5選

「鈴虫が 浮気したのは どの秋草か みんな濡れてる朝の露」なんて都々逸がありますけれども、夏フェスのシーズンが終わり秋になると、都市型音楽イベント『RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2018』が開催されます。タイトル通りRED BULLが主催する同イベントでは、9月22日から約1カ月間にわたって11のプログラムを実施。お馴染みのライヴハウス/クラブにはじまり、カラオケ館や山手線の車両内に至るまで、都内のありとあらゆるスポットが、ほんの束の間“音楽の解放区”に化けるのです。今回は多数の出演者の中から5組をピックアップします。

■「スマトラ警備隊」(’08) /相対性理論

『シフォン主義』が世に放たれた時の衝撃は、10年経っても色褪せることがありません。実在性は希薄ながらもシニシズムと鬱屈さを湛えたウイスパーヴォイス、ポストロックやシューゲイザーを落とし込み、切れ味の鋭さと甘やかさを共存させたポップネス。1曲目の「スマトラ警備隊」のイントロで幾重にも連なるパーカッシブな音色は世紀末の終焉ムードを引きずるゼロ年代の殻を瓦解させる地鳴りのような畏怖、“世界対私個人”の構図で織り成す内省的な歌詞に新時代の光芒に突き刺される恍惚感にみなぎっています。相対性理論は10月9日に国立科学博物館で行なわれる『「わたしは人類」インスタレーション+特別集会「国立科学博物館の相対性理論」』に出演します。

■「本能」(’18)/RHYMESTER

4方向にステージを配置するライヴイベント『SOUND JUNCTION』は9月23日にベルサール渋谷ガーデンで実施。出演者の1組であるRHYMESTERが発表した「本能」は椎名林檎の代表曲のひとつを換骨奪胎した艶美にしてスリリングなカバーで、トリビュートアルバム『アダムとイヴの林檎』に収録されています。ざらついた硬質なサビのループフレーズが描くダーティーな残響のオーロラが当時21歳の椎名林檎とアラフィフのメンバーの邂逅を演出し、大仰で外連味たっぷりの男女の駆け引きとむき出しの本性が展開されていきます。エンジニアのillicit tsuboiのビリビリに毛羽立った好奇心といたずら心がびしびし脳みそを鞭打たれる感覚が堪りません。

■「Back to the Jungle」(’16) /あっこゴリラ

10月2日にカラオケ館西武新宿駅前店で行なわれる『LOST IN KARAOKE』では、演者が店舗をジャックしてパフォーマンスを披露。当日の模様はライヴストリーミング配信されます。参加アーティストのあっこゴリラは「7、8年前に飴玉音楽室のメンバーだったよなぁ、吉祥寺の小さな箱で観たなぁ」という個人的な思い出を木っ端微塵に吹き飛ばす、エネルギッシュでパワフルなフィメールラッパー。ひりついた声で連射される多幸感に満ちたライム、ファンクネスを煽るベースとドラムに動物の咆哮がミックスした賑やかなトラックはギラギラした生命力に満ちています。明度と輝度の臨界点を超えたフィジカルながら、強引さを感じさせないピースフルなライヴも最高なのです。

■「とめどなくあふれ」(’18) /Aya Gloomy

同じく『LOST IN KARAOKE』に登場するプロデューサー、シンガー、モデル、インフルエンサーのAya Gloomy。「とめどなくあふれ」は4月にリリースしたセルフプロデュースアルバム『陸の孤島』の収録曲で、オリエンタルな弦の和音と輪郭のぼやけた無表情なリズムボックスの打音が足跡のように落とされる楽曲に、エフェクトで何重にも揺らいで液状化した幽体の声がふらふらと彷徨い、真夏の逃げ水を思わせます。Aya Gloomyはアルバム収録曲全曲の作詞作曲のみならず、
「とめどなくあふれ」MVの制作も自ら務めました。擦り切れる寸前のビデオテープや暴力的な陽光を反射する川面を想起させる質感の映像に、現実と幻想の臨界点が曖昧になっていきます。

■「YES,WE CAN CAN」(’89)/ORCHIDS

9月30日にはラフォーレ原宿でクラブミュージックレーベル<MAJOR FORCE>の30周年記念企画が開催。藤原ヒロシ、EGO-WRAPPIN'、立花ハジメといった錚々たるラインナップにORCHIDSが混じっているのですが、まさかの復活を遂げるのでしょうか? 中川比佐子と渡辺真起子によるユニットが再始動するのでしょうか? あの平坦な発音の英語で綴られたライムとゆるさとポジティプさで重力ゼロの羽のようなフロウをまた繰り出してくれるのでしょうか? この「私たちこそがORCHIDS!」的な重心低めの開口一番先制攻撃ソングも演じてくれるのでしょうか? モデルを引退してからというもの近況すら明らかになっていない中川比佐子は果たして本当に姿を現してくれるのでしょうか? 全ては現場で!

TEXT:町田ノイズ

町田ノイズ プロフィール:VV magazine、ねとらぼ、M-ON!MUSIC、T-SITE等に寄稿し、東高円寺U.F.O.CLUB、新宿LOFT、下北沢THREE等に通い、末廣亭の桟敷席でおにぎりを頬張り、ホラー漫画と「パタリロ!」を読む。サイケデリックロック、ノーウェーブが好き。



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